Committee Investigation
議案を待たなくても、調べられます
委員会は、
自分から動ける。
常任委員会は、その部門の事務を自ら調査することができます(地方自治法109条2項)。市長から議案が出るのを待つ必要はありません。これを所管事務調査といいます。

所管事務調査とは何か。総務委員会でできること。

本ページは鈴木優作が地方自治法・三郷市議会委員会条例・会議規則の条文からまとめた非公式の資料で、市・議会・会派の公式見解ではありません。実際の運用は、その時々の委員会の議決によります。

The Law

根拠は、地方自治法109条2項

地方自治法 第109条2項
常任委員会は、その部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、議案、請願等を審査する。

「議案を審査する」だけではありません。「調査を行い」が先に書かれています。議案が出るのを待たずに、自分たちの担当する分野を調べにいけるということです。

三郷市議会では、この手続きが会議規則に定められています。

三郷市議会会議規則 第105条
常任委員会は、その所管に属する事務について調査しようとするときは、その事項、目的、方法及び期間等をあらかじめ議長に通知しなければならない。

必要なのは議長への通知です。市長の同意も、本会議の議決も要りません。

では、総務委員会は
何を所管しているのか。
Our Jurisdiction

総務常任委員会が所管するもの

三郷市議会委員会条例 第2条2項(1)
総務常任委員会 6人
一般会計の歳入に関する事項、企画政策部、総務部、危機管理防災課、財務部、会計課、議会事務局、監査委員、選挙管理委員会、公平委員会、固定資産評価審査委員会、農業委員会及び消防本部の所管に関する事項並びに他の常任委員会の所管に属しない事項

読み解くと、次のものが入ります。

一般会計の歳入に関する事項
市税をはじめとする、市の収入のすべて。「どう使うか」ではなく「どう入ってくるか」の側。
企画政策部
総合計画、人口ビジョン、まちづくりの大きな方向。
危機管理防災課
地域防災計画、避難情報、避難所、罹災証明。災害への備えの中枢。
財務部・会計課
財政運営、公共施設の更新、契約。
消防本部
消防・救急。
選挙管理委員会・監査委員ほか
行政委員会。
他の常任委員会の所管に属しない事項
受け皿の条項。どこにも属さないものは、ここに落ちてきます。
What We Can Do

調査でできる5つのこと

01
説明のために、出席を求める
市長、教育長、選挙管理委員会の委員長、農業委員会の会長、監査委員などに対し、議長を経て説明のための出席を求められます(委員会条例20条)。
02
参考人を呼ぶ
市の外の人に来てもらい、意見を聞けます(委員会条例28条)。専門家、事業者、当事者。議長を経て行います。
03
公聴会を開く
議長の承認を得て開けます(委員会条例22条)。利害関係者と学識経験者から、公の場で意見を聞く仕組みです。
04
現地へ行く(委員派遣)
日時・場所・目的・経費を書いた派遣承認要求書を議長に出し、承認を得ます(会議規則106条)。
05
委員会として、議案を出す
調べた結果を、委員会の名で議案として提出できます(自治法109条6項)。ただし予算は除きます。調査が提案で終わらず、条例の形になりうるということです。
How To Start

始め方と、続け方

始めるとき
議長に通知する
事項・目的・方法・期間を書いて、あらかじめ議長へ(会議規則105条)。
委員長が動かないとき
委員の定数の半数以上から、審査・調査すべき事件を示して請求があれば、委員長は委員会を招集しなければなりません(委員会条例14条2項)。総務委員会は6人なので3人です。
続けるとき
閉会中も調査できる
議会の議決により付議された特定の事件は、閉会中も審査できます(自治法109条8項)。
その手続き
閉会中もなお継続する必要があると認めるときは、理由を付けて、委員長から議長に申し出ます(会議規則111条)。
会議の成立と決め方
定足数
委員の定数の半数以上=3人(委員会条例15条)。
表決
出席委員の過半数。可否同数のときは委員長が決めます(同16条)。
What We Cannot Do

できないこと

所管事務調査は、
百条調査ではありません。

強制力はありません
百条委員会(自治法100条)は、関係人の出頭・証言・記録の提出を求めることができ、拒んだり嘘をついたりすれば刑罰があります。所管事務調査には、この強制力がありません。
所管の外は調べられません
「その部門に属する事務」に限られます。他の委員会の所管は、その委員会の仕事です。
予算の議案は出せません
委員会として議案は出せますが、予算は除かれます(自治法109条6項ただし書き)。
執行はできません
調べて、示して、提案するところまで。実際に動かすのは執行機関です。
In Practice

総務委員会だから、扱えること

所管の一覧を、実際のテーマに置きかえるとこうなります。

災害への備え
危機管理防災課の所管。地域防災計画、避難情報の発令基準、自主避難場所の開設基準、避難所の運営、罹災証明の手続き。
市の収入の構造
一般会計の歳入。市税の内訳、収納率、20年後の税収見通し。
まちの大きな方向
企画政策部の所管。総合計画、人口ビジョン、都市の将来像。
公共施設の更新
財務部の所管。更新費用の見通し、長寿命化、複合化・機能集約。
行政のデジタル化
企画政策部・総務部の所管。電子申請、情報発信、業務の進め方。

線引きも書いておきます。たとえば水害でいえば、避難情報や避難所は総務委員会の所管ですが、排水機場や下水道の整備は建設水道常任委員会(建設部・まちづくり推進部・水道部)の所管です。同じ「浸水」でも、備えと施設は別の委員会に分かれます。

Why It Matters

なぜ、これを書いたか

議員の仕事は、市長から出てきた議案に賛成か反対かを言うことだと思われがちです。実際、仕事の多くはそこにあります。

ただ、それだけだと議題を決めるのは常に市長の側になります。所管事務調査は、議会の側から議題を立てられる数少ない仕組みです。強制力はなく、地味な手続きですが、議長への通知だけで始められます。

できることを知らないまま任期を終えるのは、もったいない。だから、まず自分のために整理しました。

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あわせて読む

強制力のある調査。所管事務調査との違い。
本会議と委員会の関係。
チェック機能という考え方。
市長と議会が別々に選ばれる意味。
  • 地方自治法 第109条(常任委員会等)・第100条(調査権)
  • 三郷市議会委員会条例(平成3年8月12日 条例第20号)第2条・第14条・第15条・第16条・第20条・第22条・第28条
  • 三郷市議会会議規則 第105条(所管事務の調査)・第106条(委員の派遣)・第111条(閉会中の継続審査)
  • 条文は三郷市例規集および地方自治法の本文から引用。2026年8月15日確認。
作成:鈴木優作(三郷市議会議員/創政MISATO)
議題を、議会の側から立てる。

本ページは「鈴木優作調べ」です。三郷市の条例と公表情報をもとに個人でまとめたもので、市・議会・会派の公式見解ではありません。実際の手続きや窓口は、必ず三郷市の公式情報をご確認ください。