三郷市が、いまやっていること
実は筋の良い「自助支援」が既にあります
① 草刈機の無料貸出——自分で刈る市民に、クリーンライフ課が機材を無料で貸します(営利目的は不可・燃料は自己負担)。
② 空き地雑草の相談→所有者への除草依頼——相談を受けて現地を確認し、所有者(管理者)に除草を依頼。農地は農業委員会等へ連絡・あっせん。
③ 刈り草・せん定枝の個人搬入受け入れ——刈った後の処分の受け皿も市が用意しています。
この3本柱は「市が代わりに刈る」のではなく、道具(入口)と処分(出口)を支えて、作業(本体)は所有者・市民が担うという設計です。負担のあり方として、方向性は正しいと私は考えています。まずこの現行の取り組みが、もっと知られてよいはずです。
前提となる、3つの構造
① 所有権の壁
民有地の雑草は所有者の管理責任が原則で、市が勝手に立ち入って刈れば財産権の侵害になります。市ができるのは原則「所有者への連絡・お願い」まで。所有者が市外在住・相続未登記・所在不明だと、その連絡自体が届きません。
② 需要の完全な同期
雑草は市内全域で同じ周期(梅雨明け〜夏)で一斉に伸びます。苦情も、市有地の刈り取りも、業者・シルバー人材への発注も、同じ数週間に集中する。予算と委託契約は年間平準で組まれるのに、需要は季節スパイク——「順番待ちの間に次が伸びる」構造が毎年繰り返されます。
③ 資源の有限性
市有地だけでも、みどり公園費 約3.4億円/年(都市公園維持224,308千円・緑道等67,979千円・樹木等保全3,758千円)に道路の路肩管理が加わります。ここへ民有地の分まで市費で応えるのは、面積的にも財政的にも現実的ではありません。
そもそも、誰の予算でやるべきか
「市が全部やる」は、優しさに見えて公平ではない
民有地の除草は、所有者の費用と責任が大原則です。市が代わりに刈るほど「放置すれば市がやってくれる」という逆のインセンティブが育ち、自費で真面目に管理している所有者との不公平が広がります。雑草は、市費の投入がかえって問題を増やしうる領域です。
だから市の役割は、3つに限定するのが筋だと考えています。
① 市有地を、明示された基準で管理する——どこを・年何回刈るかの基準を公開する。
② 自助を安くする——貸出と搬入受入(既にある)。台数と周知を強化する。
③ 責任を果たさせる制度を持つ——依頼に応じない所有者への、勧告・命令・代執行(費用は所有者請求)までの道筋。
私が注目している選択肢——「条例」
近隣の越谷市には「空閑地等に繁茂した雑草類の除去に関する条例」があり、多くの市が同種の条例で勧告・命令・代執行の根拠を持っています。三郷市にもあき地の雑草等の除去に関する条例があり、指導・助言(4条)→勧告(5条)→命令(6条)→代執行(7条)までの道筋が定められています。つまり道具はすでに道具箱にあります。問いは「使われているか」です——勧告・命令・代執行が年に何件あるのか、費用はいくら回収できているのか。空家特措法が使えるのは「空家の敷地」だけなので、建物のない更地はこの条例が唯一の根拠になります。条例を実際に動かすための基準と件数を公開すべきかどうか——ここは、市民のみなさんと一緒に考えたいところです。
ここから先は、皆さんと考えたい
考えるための、3つのたたき台
いずれも、答えを決めるためのものではありません。みなさんと考えるための、私のたたき台です。
① 自助支援の拡充——貸出台数と周知の強化。「借りたい夏に借りられる」状態へ。
② 執行の根拠づくり——応じない所有者への条例上の手段(勧告→命令→代執行・費用請求)の整備。
③ 共助の制度化——公園愛護会型のアダプト制度を空き地・道路際に拡張し、需要ピークを地域で分散する。
「もっと市がやれ」でも「市は何もするな」でもなく、責任の設計を直す——それが増税なしで雑草を減らす、おそらく唯一の道だと私は考えています。条例の有無などの事実確認は、私自身がこれから進め、分かり次第このページを更新します。