実は、条文は「議会を置く」だけだった
憲法は「議事機関として議会を設置する」と定めています。ところが、それを受ける地方自治法は、長らく議会について"置く"としか書いていませんでした。
② 地方公共団体の(略)議会の議員(略)は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
——以上が、条文の全文です。何を議決するのか、議員は何を負うのか。それは長い間、法律の"外"にありました。
2023年、地方議会が"定義"された
「地方自治法の一部を改正する法律(令和5年法律第19号)」——国会提出 2023年3月、成立 2023年4月26日、この部分の施行は2023年5月8日。第89条に、次の下線部が新しく加わりました。
② 普通地方公共団体の議会は、この法律の定めるところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し、並びにこの法律に定める検査及び調査その他の権限を行使する。
③ 前項に規定する議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない。
「議事機関である」こと。「重要な意思決定を議決し、検査・調査の権限を行使する」こと。そして議員は「住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」こと。——議会と議員が何者なのかが、はじめて法律の言葉になりました。
なぜ今、わざわざ明文化したのか
全国の議長会が挙げた、3つの意義
この改正のもとになった議論(第33次地方制度調査会)で、地方議会の位置づけを明文化する意義として、次の3つが挙げられました。
① 議会とは何かを、住民にしっかり理解してもらう。
② 議員が、その重い責任をさらに強く自覚する。
③ 女性や若者など、多様な人材の議会への参画を図る。
投票率の低下や、なり手不足。「議会って何をしているの?」という素朴な問い。そこに正面から答えるために、まず言葉で定義するところから始めた——そういう改正です。
あわせて、議会の手続もオンライン化
請願・意見書などが、デジタルで可能に
同じ令和5年改正では、議会に関わる手続のオンライン化も進みました。行政手続はすでにデジタル化が可能でしたが、"議会"はその対象外で、文書でのやり取りが必要だったのです。改正により、住民から議会への請願書の提出(第124条)や、議会から国会への意見書の提出(第99条)などが一括してオンライン化可能に(2024年4月1日施行)。政務活動費の収支報告書の提出などもデジタルでできるようになりました。
「定義された」いまこそ、三郷で活かす
「住民の負託を受け、誠実に」——これは、私の原点でもある
新しい第89条第3項の「住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」。この一文は、私が1,703票の信託を受けたことの重みそのものです。議会が下した処分が違法と認定された除名審決で、私が「賛成した議員の責任」を引き受けたのも、この精神に通じます。
国が「議会とは何か」を定義したいまこそ、三郷でも一歩進めたい。議会基本条例による原則の明文化、そして「議会って何をしているの?」に答える発信を。多様な人材——女性・若者・現役世代の参画は、私のミッションそのものです。定義は、ゴールではなく出発点だと考えています。