第1号被保険者の介護保険料 基準額(第9期)
介護保険料は、
どこまで上がるのか。
介護保険の保険者は市町村です。だから、この数字は三郷市が3年ごとに決めています。そして保険料は、給付費とほぼ連動します。前提を動かして、確かめてください。
なぜ保険料は上がるのか
介護保険の財源構成は法律で決まっています。居宅給付費の場合、国25%・県12.5%・市12.5%・40〜64歳(第2号)27%・65歳以上(第1号)23%。
この割合が変わらないかぎり、給付費が増えれば、第1号が負担する総額も同じ率で増えます。それを被保険者の数で割ったものが保険料です。
つまり上がる要因は「給付費の伸び」、下がる要因は「被保険者数の増加」。この2つの綱引きです。
前提を、あなたが動かしてください
起点は実額の6,300円です。そこからの変化率だけを計算します。絶対額を式で再現しようとはしていません(理由は下の「この試算の弱いところ」に書きました)。
令和6年度95.8億→令和8年度105.4億は2年で+10%(年あたり約+4.9%)。初期値はこの実績です。
増えれば1人あたりは薄まります。高齢化率は27.1%(令和7年4月1日)。将来の被保険者数の推計は市の計画にあたる必要があるため、初期値は横ばい寄りの+1.0%にしています。
給付費の伸びを何ポイント抑えられるか。効果があるという前提を置いた仮定の数値です。
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そもそも、誰の予算か
このお金は、市が自由に使えるお金ではありません。介護保険は独立した特別会計で動いています。
| 負担するのは | 割合 | 性格 |
|---|---|---|
| 国 | 25% | 法定。市は変えられない |
| 都道府県 | 12.5% | 法定。市は変えられない |
| 市 | 12.5% | 一般会計から繰り出す。ここは市民全体の税 |
| 40〜64歳(第2号) | 27% | 医療保険料と一緒に納める。全国で調整 |
| 65歳以上(第1号) | 23% | この保険料。市が3年ごとに条例で決める |
※居宅給付費の場合の割合です。施設等給付費では国20%・県17.5%になります。
市が決められるのは、第1号の保険料の水準と、所得段階の刻み方です。給付そのものの単価(介護報酬)は国が決めます。ここは市にできること、できないことの介護の項にも書きました。
この試算の、いちばん弱いところ
都合の悪い前提こそ、先に書いておきます。
- 絶対額を式で再現していません。6,300円という実額を起点に、変化率だけを掛けています。給付費から保険料を直接計算しようとすると、地域支援事業費・所得段階別の補正・準備基金の取り崩しが入るため合いません。だから、やっていません。
- 第1号被保険者数の将来推計は、市の計画にあたっていません。初期値の+1.0%は仮置きです。ここは介護保険事業計画の推計値に置き換えるべき箇所です。
- 予防の効果は仮定です。「予防に投資すれば給付費の伸びが下がる」という関係自体、簡単には実証できません。スライダーは「もし下がったら」を見るためのものです。
- 負担割合は3年ごとの計画期で見直されます。第1号23%は第9期の値で、将来変わりえます。
- 準備基金(給付費支払基金7.6億円)の取り崩しは織り込んでいません。実際にはこれで保険料の上昇を一時的に抑えることがあります。
したがって、この数字は「予測」ではありません。「給付費がこう伸びたら、保険料はこの方向に動く」という関係の確認です。
私の考え
保険料が上がることを、悪だとは思いません。使う人が増えれば、支える額も増える。それが保険の仕組みです。
問題は、3年ごとの改定のときにしか、この話が表に出ないことです。計画の期間は3年。決まってしまえば3年動きません。だから、決まる前に材料が要る。
そして介護保険は、保険者が市町村である=三郷市の裁量が大きい数少ない分野です。権限マップで見ても、ここは「できません」が使いにくい領域にあります。
あわせて読む
・先輩世代のシミュレーション — ほかの候補と、準備中のテーマ
・市にできること、できないこと — 介護の分野で市が動かせる範囲
・三郷市の財政を家計に置きかえる — 全会計896.2億円のなかでの位置
・やめる基準 — 増えるものがあるなら、どこかを決める必要がある
Sources & Assumptions
- 第1号保険料基準額 月6,300円、総給付費 第9期3年で約302億円(令和6年度95.8億円→令和8年度105.4億円)、給付費支払基金7.6億円: 三郷市介護保険事業計画(第9期)および令和8年度当初予算。
- 介護保険特別会計 令和8年度 122.1億円(前年比+5.6%)。
- 第1号被保険者 38,552人、高齢化率27.1%: 住民基本台帳(令和7年4月1日)。
- 要介護認定者 令和5年度6,524人→令和12年度8,359人: 介護保険事業計画の推計。
- 財源構成(国25%・県12.5%・市12.5%・第2号27%・第1号23%/施設等給付費は国20%・県17.5%): 介護保険法第121条〜第125条。
- 第1号被保険者数の将来推計は未確認です。スライダーの初期値+1.0%は仮置きで、計画の推計値に置き換えるべき箇所です。
- 計算は起点の実額に変化率を掛けるだけの単純なものです。地域支援事業費・所得段階別の補正・基金の取り崩しは織り込んでいません。
数字の誤りや、前提の置き方へのご指摘をお待ちしています。