Who Decides What

どこまでが、
市の仕事か。

「市がやればいい」と言われることの中には、別の担い手のスコープのものがあります。信号は公安委員会、線引きは県、教員の任命も県。逆に、市の裁量で動かせるのに、まだ形になっていない領域もあります。分野ごとに、誰が決めるのかを法令で並べました。

19分野
78市のスコープ
42別のスコープ

困りごとから引く

言いたいことばで探してください。その困りごとを、誰が決めているかに飛びます。

信号を増やしてほしい道路・信号・街灯横断歩道をつけてほしい道路・信号・街灯道路に穴があいている道路・信号・街灯街灯が暗い・切れている道路・信号・街灯カーブミラーをつけてほしい道路・信号・街灯通学路が危ない道路・信号・街灯スピードを出す車が多い防犯・交通安全違法駐車が多い防犯・交通安全防犯カメラをつけてほしい防犯・交通安全不審者が出た防犯・交通安全大雨で道路が冠水する川・水路・内水川があふれないか不安川・水路・内水側溝や水路が詰まっている川・水路・内水バスの本数が少ないバス・鉄道バス路線がなくなったバス・鉄道駅の設備を良くしてほしいバス・鉄道先生を増やしてほしい学校・教育学校のエアコン・トイレを直してほしい学校・教育学校が統合されるらしい学校・教育給食費を無償にしてほしい学校・教育保育園に入れない保育・子育て保育料が高い保育・子育て病児保育がほしい保育・子育て介護施設に入れない介護・高齢者介護保険料が高い介護・高齢者小児科・産科が足りない医療健診を受けやすくしてほしい医療団地を建て替えてほしい住まい・団地・空き家隣の空き家が危ない住まい・団地・空き家隣の空き地の草がひどい住まい・団地・空き家ごみの分別が分かりにくいごみ・環境不法投棄があるごみ・環境避難所の環境を良くしてほしい防災・消防避難情報が分かりにくい防災・消防生活が苦しい・相談したい生活保護・福祉商店街を元気にしてほしい産業・商業・創業創業を支援してほしい産業・商業・創業税金の使い道を知りたいお金・予算・契約市の資料が見つからない情報公開・デジタル手続きをオンラインでしたい情報公開・デジタル水道料金が高い上下水道公園を減らさないでほしい公園・緑地公園の遊具を新しくしてほしい公園・緑地調整区域に家を建てたい都市計画・開発市税を安くしてほしい税

担い手から引く

誰が、どの分野を決めているか。市のスコープは、この地図の一部です。

国8

県13

警察(県)1

公安委員会2

教育委員会1

議会5

市(市長部局)21

民間・事業者4

県・国2

国・県2

市の裁量で動かせる領域

ここに「別のスコープだから」は使えません。決めるのも、動かすのも市です。

  • 保育・子育て利用調整のやり方、保育料の設定、地域型保育の整備。給付と調整は市の裁量が大きい領域です。
  • 介護・高齢者3年ごとの介護保険事業計画と、総合事業の設計。保険者は市なので、サービスの量と組み立てを決められます。
  • 住まい・団地・空き家空家等対策計画と、特定空家等への助言から代執行まで。法律が市に権限を与えている数少ない領域です。
  • ごみ・環境分別区分・収集回数・手数料(条例)と、多言語での案内。案内は今日から変えられます。
  • お金・予算・契約補助金の交付要綱、実績報告の様式、予算・決算の公開の粒度と時期。金額ではなく要綱を変えることが、出し方を変える方法です。
  • 情報公開・デジタル公開の粒度と形式(PDFではなく機械が読める形)、申請の様式、業務での生成AIの使い方。ほぼ全部が市の裁量で、費用もほとんどかかりません。

道路・信号・街灯

同じ「道」でも、誰が直すかは路線で違います。信号は市の権限ではありません。

国国道(直轄区間)県県道・国道の県管理区間市長部局市道の新設・維持・補修公安委員会信号機・横断歩道・速度規制・駐停車規制

市にできること

  • 市道の舗装・側溝・カーブミラー・区画線の設置と補修
  • 通学路の点検と、危険箇所の県・警察への申し入れ
  • 道路照明(街灯)の設置。防犯灯は自治会と市の分担で運用されることが多い
  • 国道・県道の不具合を、管理者へ通報・要望として上げる

ここから先は、別のスコープ

  • 公安委員会の領域:信号機の設置、横断歩道・一時停止・速度規制
  • 国・県の領域:国道・県道の改良
  • 警察の領域:違法駐車の取締り

どこを押すと動くか

  • 市道は予算(款8土木費)で直接。要望はその年度の予算に載るかで決まる
  • 信号や規制は、市から警察署経由で公安委員会へ上申する形。市にできるのは根拠を揃えて出し続けること

根拠道路法/道路交通法/道路標識、区画線及び道路標示に関する命令

国土交通省のLINE通報(#9910 は電話)など、国道・県道・市道を問わず受ける窓口も既にあります。

川・水路・内水

外の川と、内側の水は、担当が違います。三郷が悩むのは主に内側です。

国一級河川の指定区間外(直轄管理)県一級河川の指定区間市長部局準用河川・普通河川・水路・雨水排水・下水道

市にできること

  • 雨水排水施設・ポンプ場の整備と運転(内水対策)
  • 内水ハザードの想定と、避難情報を出す判断
  • 水位の情報を市民に届ける仕組みをつくること
  • 国・県の管理区間について、堤防や排水機場の整備を要望すること

ここから先は、別のスコープ

  • 国・県の領域:一級河川の堤防と、川の水位の操作
  • 国の領域:国が管理する排水機場の運用

どこを押すと動くか

  • 内水は市の予算と計画で動かせる領域。ここは市の裁量が大きい
  • 外水(河川氾濫)は国・県との協議と要望が中心

根拠河川法/下水道法/水防法

バス・鉄道

路線バスは民間の許可事業です。市が路線を引けるわけではありません。

国一般乗合旅客自動車運送事業の許可(運輸局)民間・法人バス事業者が路線・ダイヤ・運賃を決める市長部局コミュニティバス等の運行計画・補助民間・法人鉄道(TXは首都圏新都市鉄道)

市にできること

  • 地域公共交通計画をつくり、市として必要な路線像を示すこと
  • コミュニティバスの運行(委託・補助)と、実証運行の場を用意すること
  • 法定協議会(地域公共交通会議等)を回し、事業者・住民・国と合意をつくること
  • 鉄道事業者へ、駅施設や高架下の活用を提案・協議すること

ここから先は、別のスコープ

  • バス事業者の領域:路線の新設・存続、運賃(最後は事業者の経営判断)
  • 鉄道事業者の領域:ダイヤ、駅の設備、高架下の使い方

どこを押すと動くか

  • 計画に位置づけないと、国の補助にも法定協議会の議論にも乗らない
  • 実証は市が主体になれる。ただし本格運行は事業者と採算の合意が要る

根拠道路運送法/地域公共交通の活性化及び再生に関する法律

学校・教育

市役所と教育委員会は別の執行機関です。市長でも議員でも、直接は動かせません。

教育委員会学校の管理・運営、教育課程、通学区域議会学校の設置と廃止(条例)県公立小中学校の教職員の任命・給与(県費負担教職員)市長部局校舎・設備・給食などの予算

市にできること

  • 校舎の改修、空調、トイレ、ICT機器など施設・備品への投資(市の予算)
  • 給食費や就学援助など、市の制度としての支援
  • 通学路の安全対策(道路管理者としての立場)
  • 統廃合や適正配置の検討を、教育委員会に対して求めること

ここから先は、別のスコープ

  • 県の領域:教職員の任命と配置(県費負担教職員)
  • 教育委員会の領域:教育課程と学校の運営
  • 議会の領域:学校の設置・廃止(条例の議決)

どこを押すと動くか

  • 市がお金で動かせるのは「ハコと道具と支援制度」。人と中身は教育委員会と県
  • 統廃合は、教育委員会が案をつくり、市長が議案として出し、議会が条例で決める

根拠地方教育行政の組織及び運営に関する法律/学校教育法/市町村立学校職員給与負担法

部活動の地域移行は国が進めている枠組みで、市の役割は受け皿と指導者への対価の財源。

保育・子育て

認可の権限は県ですが、入園の調整と多くの給付は市の仕事です。

県認可保育所・認定こども園の認可市長部局小規模保育等(地域型保育)の認可、利用調整、給付、子育て支援事業

市にできること

  • 入園の利用調整(いわゆる選考)と、保育の必要性の認定
  • 保育料の設定(国の上限の範囲で市が決める)
  • 小規模保育・家庭的保育などの地域型保育の認可と整備
  • 子育て支援センター、一時預かり、病児保育などの事業実施
  • 児童手当・こども医療費など給付の窓口

ここから先は、別のスコープ

  • 県の領域:認可保育所・認定こども園の認可(一般市の場合)
  • 園(民間)の領域:定員や運営方針の決定

市の裁量で動かせる

利用調整のやり方、保育料の設定、地域型保育の整備。給付と調整は市の裁量が大きい領域です。

どこを押すと動くか

  • 市町村子ども・子育て支援事業計画に量の見込みと確保方策を書く。ここに載らないと整備は進まない
  • 給付と利用調整は市の裁量が大きい領域

根拠子ども・子育て支援法/児童福祉法

介護・高齢者

ここは市の権限がいちばん大きい分野です。保険者は市町村です。

市長部局介護保険の保険者。事業計画・保険料・地域密着型の指定県施設系サービス事業者の指定・指導国報酬・基準の設定

市にできること

  • 介護保険事業計画(3年ごと)で、サービス量と保険料を決めること
  • 地域包括支援センターの設置・運営(直営/委託)
  • 地域密着型サービス(小規模多機能、認知症グループホーム等)の指定
  • 総合事業として、市独自の生活支援・通いの場を設計すること
  • 見守り・買い物支援など、保険外の生活支援を市の事業として組むこと

ここから先は、別のスコープ

  • 国の領域:介護報酬の単価
  • 県の領域:特別養護老人ホームなど施設系の指定・指導

市の裁量で動かせる

3年ごとの介護保険事業計画と、総合事業の設計。保険者は市なので、サービスの量と組み立てを決められます。

どこを押すと動くか

  • 3年に一度の事業計画が最大の意思決定。ここを外すと3年動かせない
  • 保険料は条例で決める。給付が増えれば保険料に返ってくる関係にある

根拠介護保険法

三郷市の具体的な計画期の数値は未確認。計画の版で異なるため、引用時は原本にあたること。

医療

医師を市が雇うわけではありません。開設の許可も市ではありません。

県病院・診療所の開設許可、医療計画、医師確保市長部局国民健康保険の保険者、健診、予防接種、母子保健

市にできること

  • 健診・がん検診・予防接種の実施と自己負担の設定
  • 母子保健(乳幼児健診、産後ケア、訪問)
  • 国民健康保険の運営(県と共同)と保健事業
  • 在宅医療・介護連携の場をつくり、医療機関と情報共有の仕組みを整えること

ここから先は、別のスコープ

  • 県の領域:医師の確保と医療計画、病院・診療所の開設許可と診療科目
  • 国の領域:診療報酬

どこを押すと動くか

  • 市にできるのは「つなぐ」と「予防」。ここは予算と体制で動かせる
  • 医師確保は県の医療計画の話。市は要望と環境整備

根拠医療法/健康増進法/母子保健法/国民健康保険法/予防接種法

住まい・団地・空き家

団地は市のものではありません。一方、空き家は市に強い権限があります。

民間・法人UR賃貸住宅(独立行政法人都市再生機構)県県営住宅市長部局市営住宅、空家等対策

市にできること

  • 市営住宅の管理・入居基準・家賃(条例の範囲で)
  • 空家等対策計画をつくり、特定空家等に対して助言・指導・勧告・命令・代執行まで行うこと
  • 勧告を受けた特定空家等は、固定資産税の住宅用地特例から外れる(税制上の効果)
  • 空き家バンクなど、使いたい人と持て余す人をつなぐ仕組みをつくること
  • URや県に対して、地域の側から提案・協議すること

ここから先は、別のスコープ

  • UR(都市再生機構)の領域:団地の建て替え時期、入居条件、家賃
  • 県の領域:県営住宅の管理方針
  • 法の段階を踏む領域:通常の空き家への強制力(助言・指導・勧告・命令の順を踏む)

市の裁量で動かせる

空家等対策計画と、特定空家等への助言から代執行まで。法律が市に権限を与えている数少ない領域です。

どこを押すと動くか

  • 空き家は法律で市に権限が与えられている数少ない領域。ここは踏み込める
  • 団地は協議のテーブルをつくり、周辺環境(保育・交通・買い物)を市の側で整えるのが現実解

根拠空家等対策の推進に関する特別措置法/公営住宅法/独立行政法人都市再生機構法

ごみ・環境

一般廃棄物は市の責務。産業廃棄物は県。ここは分かれ目がはっきりしています。

市長部局一般廃棄物(家庭ごみ)の収集・運搬・処分、分別ルール県産業廃棄物の許可・指導市長部局騒音・悪臭などの生活環境(法と県条例の範囲で)

市にできること

  • 分別区分・収集回数・指定袋・手数料を市が決めること(条例)
  • 一般廃棄物処理計画をつくること
  • 不法投棄の対応(市の土地・道路の場合)
  • 多言語のごみ出し案内をつくること

ここから先は、別のスコープ

  • 県の領域:産業廃棄物の許可と指導
  • 法令の枠の領域:事業者への強い規制(市の判断だけでは課せない)

市の裁量で動かせる

分別区分・収集回数・手数料(条例)と、多言語での案内。案内は今日から変えられます。

どこを押すと動くか

  • 分別と手数料は条例。市民生活に直結するので議会と説明の設計が要る
  • 外国から来た住民への周知は、市の裁量で今日からできる領域

根拠廃棄物の処理及び清掃に関する法律

三郷市の分別区分・手数料の具体は未確認。市公式の案内が正。

防災・消防

計画に書かれていない言葉は、現場では動きません。

市長部局地域防災計画、避難情報の発令、避難所の開設・運営市長部局消防本部(三郷市は消防本部を置いている)県・国広域応援、河川・気象情報

市にできること

  • 避難情報(高齢者等避難・避難指示等)を市長の判断で出すこと
  • 避難所の指定・開設・備蓄・運営体制の設計
  • 地域防災計画・水防計画の改定
  • 自主防災組織の育成・支援、防災行政無線・情報伝達手段の整備

ここから先は、別のスコープ

  • 気象庁・河川管理者の領域:気象警報、河川の氾濫危険情報
  • 県知事を通す領域:自衛隊への派遣要請

どこを押すと動くか

  • 避難情報は市長の権限。だからこそ、出す基準を先に決めておく必要がある
  • 計画の言葉・現場の手順・備蓄の中身、この3つが揃っていないと動かない

根拠災害対策基本法/水防法/消防組織法

防犯・交通安全

取締りは警察です。市にできるのは環境をつくる側です。

県(警察)犯罪の取締り、交通取締り、防犯の捜査公安委員会交通規制市長部局防犯灯・防犯カメラ・啓発・見守り

市にできること

  • 防犯灯・防犯カメラの設置と補助
  • 通学路の見守り、青色防犯パトロールの支援
  • 警察・学校・自治会をつなぐ協議の場をつくること

ここから先は、別のスコープ

  • 警察の領域:違法駐車や騒音の取締り、犯罪の捜査
  • 公安委員会の領域:交通規制(一時停止・速度・横断歩道)

どこを押すと動くか

  • 市は「起きにくくする環境」に投資できる。起きたことへの対処は警察
  • つなぐところまでを市の責任にする、という設計が現実的

根拠道路交通法/警察法

生活保護・福祉

生活保護は国の制度ですが、実施するのは市の福祉事務所です。

国制度設計・基準・費用の4分の3市長部局福祉事務所として実施(法定受託事務)

市にできること

  • 申請の受付・調査・決定・支給と、自立支援のプログラム
  • 生活困窮者自立支援(相談、家計改善、就労準備、住居確保給付金)
  • 市独自の上乗せ・横出しの支援を、別制度として設計すること

ここから先は、別のスコープ

  • 国の領域:保護の基準(いくら支給するか)
  • 法定の領域:受給要件(市の判断で緩めたり厳しくしたりはしない)

どこを押すと動くか

  • 基準は動かせないが、たどり着きやすさと自立の支援は市の設計次第
  • 窓口の運用・体制・つなぎ方に、市の姿勢が出る領域

根拠生活保護法/生活困窮者自立支援法

尊厳に関わる分野のため、コスト削減の文脈では扱わない。

産業・商業・創業

市ができるのは、直接の補助よりも「場と条件」をつくることです。

国・県大型の補助金、制度融資の枠組み市長部局市独自の補助、創業支援、企業誘致、商工団体との連携民間・法人商工会・商店会は任意の団体

市にできること

  • 市独自の補助金・利子補給の設計(交付要綱で決まる)
  • 創業支援等事業計画をつくり、国の認定を受けて支援を厚くすること
  • 産業用地・立地の誘導(都市計画・条例の範囲で)
  • 公共調達を通じて市内事業者に仕事を回す設計(地域要件など、法令の範囲で)

ここから先は、別のスコープ

  • 事業者・商工団体の領域:商店会や商工会への加入、出店と撤退
  • 国・県の領域:国や県の補助制度の要件

どこを押すと動くか

  • 補助の出し方を変えるには、予算額ではなく交付要綱を変える
  • 「配る」より「場をつくる」ほうが、市の裁量で早く動かせる

根拠中小企業基本法/産業競争力強化法(創業支援等事業計画)

お金・予算・契約

予算をつくるのは市長、決めるのは議会。ここは市の内側の話です。

市長部局予算の調製・執行、契約、基金の運用議会予算・決算・条例の議決、一定額以上の契約の議決国・県地方交付税、補助金、起債の同意・許可

市にできること

  • 当初予算・補正予算の編成(款・項・目・節の組み立て)
  • 基金の設置と運用(条例と法令の範囲で)
  • 契約方法の設計(入札・随意契約・単価契約・指定管理)
  • 補助金の交付要綱の改正、実績報告の様式と厳格さ
  • 予算・決算の公開の粒度と時期

ここから先は、別のスコープ

  • 国の領域:地方交付税の算定
  • 議会の領域:予算の議決(流用・充用・予備費には枠と限度がある)
  • 法令の枠の領域:議決が必要な契約を分割して議決を回避しないこと

市の裁量で動かせる

補助金の交付要綱、実績報告の様式、予算・決算の公開の粒度と時期。金額ではなく要綱を変えることが、出し方を変える方法です。

どこを押すと動くか

  • 当初予算の議案が議会に出るのは3月。中身が固まるのはその前の秋
  • 議決基準額(工事1.5億円・財産取得2000万円)の直下に契約が集まっていないかは、事前監査の観点のひとつ

根拠地方自治法/地方財政法/地方自治法施行令

情報公開・デジタル

ここは、ほぼ全部が市の裁量です。だから言い訳が効きません。

市長部局情報公開、オープンデータ、webの公開方法、業務のデジタル化国個人情報保護法、標準化の枠組み

市にできること

  • 予算・決算・契約・補助金の公開の粒度と形式を市が決めること
  • PDFではなく機械が読める形(CSV・API)で出すこと
  • 申請の様式や窓口の運用を変えること
  • 生成AIを庁内業務に導入すること(例規・様式・決裁の範囲で)

ここから先は、別のスコープ

  • 法令の枠の領域:個人情報を、法令の根拠なく目的の外で使わないこと
  • 国の領域:基幹業務システムを標準化するときの仕様

市の裁量で動かせる

公開の粒度と形式(PDFではなく機械が読める形)、申請の様式、業務での生成AIの使い方。ほぼ全部が市の裁量で、費用もほとんどかかりません。

どこを押すと動くか

  • お金がほとんどかからない領域。やらない理由は予算ではなく優先順位
  • プッシュ型の案内は、保有情報の目的外利用にならない設計が前提になる

根拠情報公開条例/個人情報の保護に関する法律/デジタル社会形成基本法

上下水道

料金は市が条例で決めますが、水そのものは市だけで完結していません。

市長部局末端給水、公共下水道の管理、料金(条例)県用水供給(県営水道)、流域下水道議会料金改定は条例=議決事項

市にできること

  • 水道料金・下水道使用料を条例で決めること(改定は議会の議決)
  • 公共下水道の整備・維持・更新の計画と実施
  • 雨水排水(内水対策)の設計。汚水と雨水は別の話として扱う
  • 経営戦略・アセットマネジメントをつくり、更新需要と料金の関係を市民に示すこと

ここから先は、別のスコープ

  • 県の領域:県営水道からの受水単価、流域下水道(複数市町村にまたがる幹線・処理場)

どこを押すと動くか

  • 料金は条例なので、上げるにも下げるにも議会を通る。<strong>だからこそ、根拠となる収支見通しの公開が先</strong>
  • 更新需要は数十年単位。単年度の予算だけ見ていても判断できない

根拠水道法/下水道法/地方公営企業法

三郷市の水源構成(県水と自己水源の比率)・料金体系・経営戦略の内容は未確認。市公式と経営戦略の原本が正。

公園・緑地

意外に知られていませんが、都市公園は<strong>簡単には廃止できません</strong>。法律がそう書いています。

市長部局市が設置する都市公園の設置・管理・占用許可県県立都市公園国国営公園県・国河川区域内の広場は河川管理者の許可が要る

市にできること

  • 市の都市公園の新設、遊具・トイレ・照明の更新
  • 指定管理者制度による運営、民間活力の導入(Park-PFI 等)
  • 占用許可(イベント、売店、電柱など)の判断
  • 公園の使い方のルールを地域と決め直すこと(ボール遊び、犬の散歩など)

ここから先は、別のスコープ

  • 法の枠の領域:都市公園の廃止(都市公園法16条は、代替公園の設置など限られた場合しか認めていません)
  • 県・国の領域:県立公園と国営公園の管理の方針
  • 河川管理者の領域:河川区域内の土地の使い方(許可が要る)

どこを押すと動くか

  • 「公園を減らさない」は理念ではなく、<strong>そもそも法律が減らしにくい設計になっている</strong>。争点は総量より質と使い方
  • 新設は用地取得が最大の壁。既存の公園の質を上げるほうが、市の裁量で早く動く

根拠都市公園法(とくに第16条 公園の保存)/河川法

三郷市の公園数・面積・1人あたり面積は未確認。

都市計画・開発

誤解が多いところです。<strong>市街化区域と調整区域の線引きを決めるのは、市ではなく県です。</strong>

県都市計画区域の指定、区域区分(市街化区域・市街化調整区域の線引き)市長部局用途地域・地区計画などの都市計画決定(県が定めるものを除く)県開発許可(一般市の場合。事務移譲されている場合を除く)議会都市計画に関する条例

市にできること

  • 用途地域や地区計画を市の都市計画として決定すること(県との協議は要る)
  • 都市計画マスタープランをつくり、市としての方針を示すこと
  • 立地適正化計画で、居住や都市機能を誘導する区域を定めること
  • 景観・高さ・緑化などのルールを条例で定めること

ここから先は、別のスコープ

  • 県の領域:市街化区域と市街化調整区域の線引き、都市計画区域の指定
  • 県の領域:開発許可(一般市の場合。事務移譲されている場合を除く)

どこを押すと動くか

  • 「あの土地に建てられるようにしてほしい」は、多くの場合<strong>市の一存では動かせない</strong>
  • 市が動かせるのは、用途地域・地区計画・マスタープラン。<strong>線引きは県との協議を積む話</strong>

根拠都市計画法(第5条 都市計画区域/第7条 区域区分/第15条 都市計画を定める者/第29条 開発許可)

三郷市における開発許可権限の移譲状況、用途地域の指定内容は未確認。市の都市計画担当課が正。

税

税率を自由に決められるわけではありません。多くは法律で決まっています。

国税目と課税の枠組み、標準税率・制限税率(地方税法)市長部局市税の賦課・徴収、減免の運用議会税率は条例=議決事項県県民税・自動車税など

市にできること

  • 制限税率の範囲内で税率を条例で定めること
  • 減免の基準を条例・規則で定め、運用すること
  • 徴収体制(納付方法、滞納整理、コンビニ・スマホ決済など)を設計すること
  • 法定外税を新設すること(総務大臣の同意が要る)

ここから先は、別のスコープ

  • 国の領域:消費税・所得税・法人税の税率、地方交付税の算定
  • 法定の領域:制限税率を超える課税

どこを押すと動くか

  • 税収を増やす直接の手段は乏しい。<strong>効くのは、課税客体を増やすこと(人が住み、事業が動くこと)</strong>
  • 徴収率の改善と、収入未済・不納欠損の管理は市の裁量。ここは事前監査の観点にも入れている

根拠地方税法/地方交付税法

三郷市の税率・減免制度の具体は未確認。市公式が正。

なぜ、これを書いたか

市民のみなさんからいただく声の中には、市に言っても動かないものがあります。信号、県道、川の堤防、教員の数、団地の建て替え。どれも「市がやればいい」と言われますが、決めているのは市ではありません。

だからといって「市の仕事ではありません」で終わらせるのは、たらい回しです。市にできるのは、正しい相手につなぐことと、市の側で整えられるものを整えること。そこまでを市の責任だと考えています。

そして逆に、市の裁量で動かせる領域もあります。情報公開の粒度、補助金の交付要綱、申請の様式、介護保険事業計画。ここでスコープの話をしても始まりません。

このページは鈴木優作が法令と実務から整理したものです。制度は改正されますし、三郷市固有の運用は各担当課が正です。誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。

本ページは「鈴木優作調べ」です。公表資料をもとに個人でまとめたもので、市・議会・会派の公式見解ではありません。数値や制度は時点により変わります。実際のご判断は、必ず三郷市・埼玉県・国など公式情報をご確認ください。

Sources & Notes

作成:鈴木優作(三郷市議会議員/創政MISATO)
誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。