もう、できていること
批判から始めると見落とします。まず、いま三郷市でできることを正確に書きます。すべて市の公式サイトで2026年8月30日に確認しました。
マイナンバーカード(利用者証明用電子証明書)があれば、住民票などの各種証明書をコンビニで取れます。手数料は令和6年3月から一律100円。スマートフォンに電子証明書を搭載していれば、カードを持ち歩かずスマホだけで取れます。
「三郷市 電子申請・届出サービス」(埼玉県市町村申請・届出システム)で、原則24時間365日受け付けています。対象は犬の死亡届、水道の使用開始・廃止・中止開始、妊娠届、児童手当の認定請求・額改定・受給事由消滅の8手続きです。
「おくやみコーナー」で、8つの課にまたがる手続きを窓口を移動せずに受けられます。事前予約をすると、住所や氏名があらかじめ申請書に印字され、書類の記載を省略できます。
あと少しで届くのに、届いていないところ
いちばん分かりやすい例が、おくやみコーナーです。中身はとても良い。入口だけが、昔のままです。
おくやみコーナー — 8つの課の手続きが、1か所にまとまる
事前予約をすると、住所や氏名が申請書に印字され、書類の記載を省略できます
ただし、ここに入る前に
場面ごとに、何が変わるか
世代で分けるより、人生の場面で分けたほうが分かりやすいと思っています。どの世代も、いつかはすべての行を通ります。
| 場面 | いま(2026年8月) | 技術で変えられること |
|---|---|---|
| 子どもが生まれる未来 | 妊娠届と児童手当はオンラインで出せます。ただし出生届など多くは来庁が必要です。 | 出生に伴う手続きをまとめて案内し、対象になる制度を市の側から知らせる。 |
| 引っ越す現役 | 転入・転出の届出や、それに伴う各課の手続きで来庁します。 | 手続きの一覧をあらかじめ示し、記入をなくす。おくやみコーナーと同じ考え方を引越しにも広げる。 |
| 証明書がいる全世代 | コンビニで一律100円、スマホでも取れます。ここは既にかなり便利です。 | そもそも証明書の提出自体を減らす(行政間でデータを照会する)。 |
| 困りごとを聞きたい全世代 | 窓口も電話も、開いているのは平日8時45分〜16時30分だけです。 | 対話型AIが24時間答える。東京都港区が令和8年6月から公式LINEに導入しています。 |
| 家族が亡くなる先輩・現役 | おくやみコーナーで1か所にまとまります。ただし予約は電話のみ、平日の日中、3開庁日前まで。 | 予約をオンラインにする。夜でも土日でも取れるようにする。 |
右の列は、他の自治体で実際に動いているか、制度上できると確認できたものだけを書いています。思いつきは書きません。対話型AIの例は、東京都港区が令和8年6月1日から公式LINEに生成AIチャットボット機能を導入した事例によります(令和8年6月定例会の質問で取り上げました)。
議会で、こう聞いてきました
言いっぱなしにならないよう、実際の質問と答弁にリンクしています。会議録で確かめられます。
AI活用とLINE公式アカウントの展望を質問。「一定条件下では個人情報保護法等に直ちに抵触しない」との法的見解が示されました。
この定例会の質問を読む
市公式LINEでの対話型AIによる問い合わせ対応を質問。市は「24時間対応が可能であり、市民サービスの向上につながる」と答弁しています。
この定例会の質問を読む
「デジタル活用と利便性向上」として、外部クラウドの利用状況・職員が使えるツール・整備すべきルールを質問します(通告済み・答弁はこれから)。
この定例会の質問を読む
できないことは、できないと書きます
技術の話は、期待だけを語ると嘘になります。いま制度として無理なことを並べておきます。
まだできない市役所の中のパソコンから、外のクラウドサービスに自由につなぐこと
自治体のネットワークが三層に分けられているためです。国は令和11〜12年ごろの移行を目標にしています。仕組みの詳細は 三郷市の市役所はなぜデジタル化が進まない? に書きました。
まだできないすべての手続きをオンラインにすること
本人確認の方法や、法令が書面を求めている手続きがあります。国の制度改正が要る部分と、市の判断で進められる部分が混ざっています。
まだできないAIが最終的な判断をすること
行政処分の判断は人が責任を負います。AIができるのは、調べる・下書きする・案内する、までです。
率直な疑問「デジタルにすると、使えない人が置いていかれるのでは」
ここははっきりさせておきます。窓口も電話も残したままにします。どちらかを選べる行政にする、という意味です。
むしろ市の側が情報をデジタルで持つからこそ、「この方は制度に気づいていないのではないか」と気づけるようになります。取り残さないための道具として使いたい。詳しくは 先輩世代への手紙 に書きました。
このページの弱点「8手続き以外に、マイナポータル経由でできるものがあるのでは」
そのとおりで、国民年金の手続きはマイナポータルからできます。三郷市がマイナポータルの「ぴったりサービス」で何手続きに対応しているかは、2026年8月30日時点で確認できていません。
本ページの「8つ」は、市の「電子申請・届出サービス」で受け付けている数です。市全体のオンライン対応数ではありません。確認でき次第、追記します。
世代ごとの入口
この話がいちばん効く場面は、世代で違います。数字で見たい方は左、言葉で読みたい方は右へどうぞ。
・未来世代(数字)/未来世代(手紙)
・現役世代(数字)/現役世代(手紙)
・先輩世代(数字)/先輩世代(手紙)
なぜ役所のデジタル化がここまで時間がかかるのかは 三郷市の市役所はなぜデジタル化が進まない?、紙をやめた場合の試算は 庁舎の紙をやめると、10年で約1.1億円 にあります。