What Technology Can Change
三郷市がオンラインで受け付けている手続きは
8
原則24時間365日、いつでも出せます。ただし、人生で市役所に関わる手続きは、これよりずっと多い
100
コンビニで証明書を取るときの手数料
8
おくやみコーナーが1か所にまとめている窓口
8:45〜16:30
窓口も電話も、開いているのはこの時間だけ

「役所に行く」という前提を、なくせるところまで来ている。

技術の話をすると、遠い未来の話に聞こえます。でも三郷市ではもう始まっています。証明書はコンビニで100円。妊娠届も児童手当もオンライン。亡くなったあとの手続きは8つの課が1か所にまとまっています。だからこそ、あと少しで届くのに届いていないところが、はっきり見えます。そこを世代ごとに書きました。

Already Here

もう、できていること

批判から始めると見落とします。まず、いま三郷市でできることを正確に書きます。すべて市の公式サイトで2026年8月30日に確認しました。

証明書をコンビニで取る

マイナンバーカード(利用者証明用電子証明書)があれば、住民票などの各種証明書をコンビニで取れます。手数料は令和6年3月から一律100円。スマートフォンに電子証明書を搭載していれば、カードを持ち歩かずスマホだけで取れます。

出典:三郷市「住民票・印鑑・戸籍証明」

8つの手続きをオンラインで出す

「三郷市 電子申請・届出サービス」(埼玉県市町村申請・届出システム)で、原則24時間365日受け付けています。対象は犬の死亡届、水道の使用開始・廃止・中止開始、妊娠届、児童手当の認定請求・額改定・受給事由消滅の8手続きです。

出典:三郷市「電子申請」

窓口でキャッシュレスで払う

市民課と希望の郷交流センター出張所では、証明書の手数料をキャッシュレス決済で払えます。

出典:三郷市「住民票・印鑑・戸籍証明」

国民年金の手続きをスマホで

マイナポータルから国民年金の手続きを電子申請でき、処理状況と結果も確認できます。

出典:三郷市「マイナポータルから国民年金手続きの電子申請ができます」

亡くなったあとの手続きを1か所で

「おくやみコーナー」で、8つの課にまたがる手続きを窓口を移動せずに受けられます。事前予約をすると、住所や氏名があらかじめ申請書に印字され、書類の記載を省略できます。

出典:三郷市「おくやみコーナー」

So Close

あと少しで届くのに、届いていないところ

いちばん分かりやすい例が、おくやみコーナーです。中身はとても良い。入口だけが、昔のままです。

おくやみコーナー — 8つの課の手続きが、1か所にまとまる

市民税課資産税課収納課クリーンライフ課国保年金課介護保険課障がい福祉課こども家庭センター
おくやみコーナー(市役所3階)

事前予約をすると、住所や氏名が申請書に印字され、書類の記載を省略できます

ただし、ここに入る前に

電話だけ048-930-7713
平日の日中午前8時45分〜午後4時30分(月〜金)
ご来庁予定日の3開庁日前まで当日の予約はできません
1日4枠午前9時午前10時30分午後1時30分午後3時
三郷市公式サイト「おくやみコーナー」(2026年8月19日更新)の記載によります。手続きを1か所にまとめる取り組み自体は、私は高く評価しています。問題は入口です。予約が電話だけで平日の日中しか受け付けていないと、働いているご遺族はそこで止まります。オンライン予約にすれば、夜でも土日でも取れます。
By Life Event

場面ごとに、何が変わるか

世代で分けるより、人生の場面で分けたほうが分かりやすいと思っています。どの世代も、いつかはすべての行を通ります。

場面いま(2026年8月)技術で変えられること
子どもが生まれる未来 妊娠届と児童手当はオンラインで出せます。ただし出生届など多くは来庁が必要です。出生に伴う手続きをまとめて案内し、対象になる制度を市の側から知らせる。
引っ越す現役 転入・転出の届出や、それに伴う各課の手続きで来庁します。手続きの一覧をあらかじめ示し、記入をなくす。おくやみコーナーと同じ考え方を引越しにも広げる。
証明書がいる全世代 コンビニで一律100円、スマホでも取れます。ここは既にかなり便利です。そもそも証明書の提出自体を減らす(行政間でデータを照会する)。
困りごとを聞きたい全世代 窓口も電話も、開いているのは平日8時45分〜16時30分だけです。対話型AIが24時間答える。東京都港区が令和8年6月から公式LINEに導入しています。
家族が亡くなる先輩・現役 おくやみコーナーで1か所にまとまります。ただし予約は電話のみ、平日の日中、3開庁日前まで予約をオンラインにする。夜でも土日でも取れるようにする。

右の列は、他の自治体で実際に動いているか、制度上できると確認できたものだけを書いています。思いつきは書きません。対話型AIの例は、東京都港区が令和8年6月1日から公式LINEに生成AIチャットボット機能を導入した事例によります(令和8年6月定例会の質問で取り上げました)。

In the Council

議会で、こう聞いてきました

言いっぱなしにならないよう、実際の質問と答弁にリンクしています。会議録で確かめられます。

令和8年3月定例会

AI活用とLINE公式アカウントの展望を質問。「一定条件下では個人情報保護法等に直ちに抵触しない」との法的見解が示されました。
この定例会の質問を読む

令和8年6月定例会

市公式LINEでの対話型AIによる問い合わせ対応を質問。市は「24時間対応が可能であり、市民サービスの向上につながる」と答弁しています。
この定例会の質問を読む

令和8年9月定例会

「デジタル活用と利便性向上」として、外部クラウドの利用状況・職員が使えるツール・整備すべきルールを質問します(通告済み・答弁はこれから)。
この定例会の質問を読む

Honest Notes

できないことは、できないと書きます

技術の話は、期待だけを語ると嘘になります。いま制度として無理なことを並べておきます。

まだできない市役所の中のパソコンから、外のクラウドサービスに自由につなぐこと

自治体のネットワークが三層に分けられているためです。国は令和11〜12年ごろの移行を目標にしています。仕組みの詳細は 三郷市の市役所はなぜデジタル化が進まない? に書きました。

まだできないすべての手続きをオンラインにすること

本人確認の方法や、法令が書面を求めている手続きがあります。国の制度改正が要る部分と、市の判断で進められる部分が混ざっています。

まだできないAIが最終的な判断をすること

行政処分の判断は人が責任を負います。AIができるのは、調べる・下書きする・案内する、までです。

率直な疑問「デジタルにすると、使えない人が置いていかれるのでは」

ここははっきりさせておきます。窓口も電話も残したままにします。どちらかを選べる行政にする、という意味です。

むしろ市の側が情報をデジタルで持つからこそ、「この方は制度に気づいていないのではないか」と気づけるようになります。取り残さないための道具として使いたい。詳しくは 先輩世代への手紙 に書きました。

このページの弱点「8手続き以外に、マイナポータル経由でできるものがあるのでは」

そのとおりで、国民年金の手続きはマイナポータルからできます。三郷市がマイナポータルの「ぴったりサービス」で何手続きに対応しているかは、2026年8月30日時点で確認できていません。

本ページの「8つ」は、市の「電子申請・届出サービス」で受け付けている数です。市全体のオンライン対応数ではありません。確認でき次第、追記します。

世代ごとの入口

この話がいちばん効く場面は、世代で違います。数字で見たい方は左、言葉で読みたい方は右へどうぞ。

未来世代(数字)未来世代(手紙)
現役世代(数字)現役世代(手紙)
先輩世代(数字)先輩世代(手紙)

なぜ役所のデジタル化がここまで時間がかかるのかは 三郷市の市役所はなぜデジタル化が進まない?、紙をやめた場合の試算は 庁舎の紙をやめると、10年で約1.1億円 にあります。

Sources & Notes

作成:鈴木優作(三郷市議会議員/創政MISATO)
誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。