なぜ「市の財布」で見ると、回収が難しいのか
介護給付の財源は法律で決まっています。居宅給付費なら国25%・県12.5%・市12.5%・第2号27%・第1号保険料23%。予防で給付が減ると、減った分はこの割合で全員に配られます。市の一般会計に戻るのは、減った額の12.5%だけです。
一方、予防事業の費用は地域支援事業として同じ割合で分担される部分と、市が独自に上乗せする部分があります。この試算では、投資は全額を市が出すという厳しめの前提に置いています。
前提を、あなたが動かしてください
起点は実額の105.4億円。伸び率と抑制幅と投資額の3つを動かします。期間は10年で固定しています。
令和6年度95.8億→令和8年度105.4億は2年で+10%(年あたり約+4.9%)。初期値はこの実績です。
候補ページの問いは「0.5pt抑えたら」。効果があるという仮定の数値です。
フレイル対策、通いの場、保健指導など。全額を市が出す厳しめの前提です。
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そもそも、誰の予算か
予防で減るお金は、市だけのものではありません。減った分は、国・県・保険料に同じ割合で戻ります。
| 負担するのは | 割合・立場 | 性格 |
|---|---|---|
| 国 | 25% | 法定。減れば国の支出も減る |
| 都道府県 | 12.5% | 法定 |
| 市 | 12.5% | 一般会計からの繰出。ここだけが「市の財布」 |
| 40〜64歳(第2号) | 27% | 医療保険料と一緒に納める |
| 65歳以上(第1号) | 23% | 保険料。減れば3年ごとの改定で下がる方向 |
だから「市の財布で回収できるか」だけで予防を判断すると、ほとんどの予防は割に合わなく見えます。本当の効き目は、保険料と国・県の分を含めた全体で見る必要があります。
この試算で、いちばん揺れやすいところ
都合の悪い前提こそ、先に書いておきます。
- 予防の効果は仮定です。「投資すれば伸びが下がる」という関係自体、簡単には実証できません。スライダーは「もし下がったら」を見るためのものです。
- 投資は全額を市の一般財源と置いています。実際の地域支援事業は国・県・保険料の分担があり、市の持ち出しはもっと小さい可能性があります。
- 給付費の伸びは直近2年の実績を延ばしただけで、認定者数の推計(令和12年度8,359人)と整合させていません。
- 効果が出るまでの時間差を無視しています。予防の効き目は数年遅れて現れるのが普通で、10年の区切りでは過小に出ます。
したがって、この数字は「予測」ではありません。「前提がこうなら、お金はこの方向に動く」という関係の確認です。
私の考え
この試算をつくって分かったのは、「市の財布」だけで見ると、予防はほぼ回収できないということです。戻ってくるのは12.5%だけだからです。
それでも予防に投資する理由は、保険料を払っている65歳以上の人と、国・県の分を含めた全体で見れば戻ってくるから。そして数字に出ない「元気でいられる年数」が、いちばん大きな戻りだからです。
だから私は、予防の事業を「市の一般会計から見た費用対効果」だけで切らない。介護保険の特別会計と一緒に、3年ごとの事業計画の中で判断する。ここは市が決められる領域です。
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Sources & Assumptions
- 総給付費 令和6年度95.8億円→令和8年度105.4億円(第9期3年で約302億円)、介護保険特別会計 令和8年度122.1億円(+5.6%)、給付費支払基金7.6億円: 三郷市介護保険事業計画(第9期)および令和8年度当初予算。
- 要介護認定者 令和5年度6,524人→令和12年度8,359人: 介護保険事業計画の推計。
- 財源構成(国25%・県12.5%・市12.5%・第2号27%・第1号23%/施設等給付費は国20%・県17.5%): 介護保険法第121条〜第125条。
- 予防投資の額と効果は仮置きです。実際の地域支援事業費の分担は織り込んでいません。
数字の誤りや、前提の置き方へのご指摘をお待ちしています。