条例は、
何と書いているか。
三郷市議会には、議会の運営の基本を定めた三郷市議会基本条例があります。平成24年9月に、議会が自ら定めた条例です。広報については、次のように書かれています。
第16条 議会は、議案の審議状況や議会活動を議会広報紙で公表するなど、市民に対する情報の提供に努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう広報活動の充実に努めるものとする。
第18条 議会は、この条例の施行後、社会情勢の変化等を勘案して、この条例の目的が達成されているかどうかについて検証を行い、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。
第1項は、議会広報紙を「など」と例のひとつとして挙げています。第2項は、情報技術の発達を踏まえた多様な手段を使うことを求めています。そして第18条は、目的が達成されているかを、議会自身が検証することを求めています。
条例ができてから14年。スマートフォンで情報を受け取ることが当たり前になりました。第18条が挙げる「社会情勢の変化」は、この14年で確かに起きています。
いま、議会から
市民に届いている道。
三郷市議会の公開資料で確かめると、市民に議会の中身を届けている手段は、次の5つです。中心は議会だよりと本会議の中継です。
- 議会だより(みさと市議会だより)年4回(1月・5月・7月・11月の15日)。広報みさとと一緒に配られます。市のホームページにPDFがあり、記事ごとに聞ける音声版「声の議会だより」もあります。
- 本会議のインターネット中継録画は令和7年9月定例会から、生中継は令和7年12月定例会から。録画は、会議のあとおおむね5日(土日・祝日を除く)で見られます。
- 会議録校正前の速報版が閉会からおよそ1か月後、正式な会議録が閉会の翌々月の下旬ごろまでに公開されます。平成5年からの会議録を検索できます。
- 議会のホームページ会派別の議案への賛否、議決結果、議案書、請願・陳情、意見書、一般質問の通告一覧、政務活動費の収支報告書などが載っています。
- 傍聴議場の傍聴席には発言をリアルタイムで表示する字幕モニターがあり、手話通訳と要約筆記はおおむね14日前までの申込みで利用できます。
議会だよりは、年4回、議会の審議を1冊にまとめて届けています。音声版もあります。中継は、令和7年に始まり、議場に来られない人が本会議を見られるようになりました。どちらも、市民と議会をつなぐ土台です。
そのうえで、条例の「多様な広報手段」に照らすと、広げられる道が3つあります。
- 委員会の中継いまの中継は本会議です。議案をいちばん深く審査する委員会の中身は、本会議での委員長報告として会議録に残ります。委員会も配信している議会があります。
- 議会としてのSNS市役所はX・Facebook・LINEで発信しています。議会の日程や中継、議会だよりの発行を、議会として手元に届ける道もあります。
- 議会報告会や、市民と意見を交わす場第8条は、市民と議員が意見や情報を交換し、議会の活動に反映させることを求めています。全国の市議会の約半数が、議会基本条例にもとづいて報告会を開いています。
届く道は、
年代で違う。
紙で読む人と、スマートフォンで見る人。どちらが正しいという話ではありません。年代によって、情報が届く道が違うということです。
総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(13〜79歳の1,800人)。新聞は平日の行為者率、LINE・YouTubeは利用率です。
全国の市議会は、どうしているか。全国815市の議会を対象にした調査では、次のとおりです。
全国市議会議長会「市議会の活動に関する実態調査結果(令和7年中)」。割合は全815市に対するものです。
ほかの議会は、
どう届けているか。
埼玉県内を中心に、議会として取り組んでいる例です。どれも、議会だよりや本会議の中継をやめたのではなく、その上に重ねている取り組みです。
- 所沢市議会議会基本条例にもとづく議会評価を毎年行い、議会だより・中継・議会報告会を広聴広報委員会が評価しています。若い世代の参加が少ないことから、令和6年度は議会報告会を高校生向けに切り替えました。本会議の生中継には、令和4年6月定例会から音声認識による字幕が付いています。
- 上尾市議会令和元年6月から、常任委員会と特別委員会の録画を配信しています。
- 川越市議会平成29年9月から、議会としてXとFacebookで発信しています。
- 北本市議会議会基本条例第11条で「議会報告会を開催するものとする」と定め、定例会ごとに開いています。令和8年4月の第48回からは、少人数のグループで話す形にしました。
- 富士見市議会令和5年度から、県立富士見高校と協働して、高校生が議場で政策を提案し、議員と質疑をする場を設けています。
- 取手市議会(茨城県)本会議と委員会をYouTubeで生中継・録画配信し、音声認識によるリアルタイムの字幕を表示しています。
問うべきは、
手段の数ではない。
SNSを始めれば、委員会を中継すれば、それで足りるわけではありません。大切なのは、議会の中身が、多くの市民に届いているかです。それを確かめる仕組みが、条例の第18条です。
検証するなら、確かめたい問いは、たとえば次の4つです。
- 誰に届いて、誰に届いていないか議会だよりは、広報みさとと一緒に町会・自治会などの協力で配られています。どの世帯まで届いているのか。紙を手に取りにくい人、中継を見る時間がない人に、議会の中身はどう届いているのか。
- 審査の中身は見えているか議案の中身をいちばん深く議論するのは委員会です。いまは本会議での委員長報告の要旨が会議録に残る形です。やりとりそのものが見えれば、市民が確かめられる範囲は広がります。
- 聞く道はあるか第16条は「伝える」広報の条文ですが、第8条は、市民と議員が意見や情報を交換し、議会の活動に反映させることを求めています。伝えるだけでなく、受け取る道があるか。
- 条例の目的は、いま達成されているか第18条は、社会情勢の変化などを踏まえて検証することを、議会自身に求めています。条例ができてから14年。いまの広報で条例の目的が達成されているかを、改めて確かめる意味は大きいはずです。
めざすのは、議会だよりと中継を土台にしながら、届き方を議会自身が確かめ、足りないところを埋めていく議会です。条例は、14年前にそのための条文を用意しています。
この問いは、議員一人ひとりに向いています。私も、その一人です。
あなたの声を、
届けてください。
議会の中身は、あなたに届いていますか。どんな道があれば、議会を身近に感じますか。名前や連絡先は要りません。1分で送れます。
- いただいた声は、文面をそのまま公開しません。議会の広報を考える材料にします。
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