同じ1億円で、
市に入る額。
1億円のもうけが三郷市で生まれたとき、市の税収になるのはいくらか。稼ぐのが個人か、会社かで変わります。
所得割 600万円(課税所得1億円 × 6.00%)+ 均等割 3,000円
法人税割 135万2,640円(法人税 2,254万4,000円 × 6.00%)+ 均等割 130,000円
法人税割 194万8,800円(法人税 2,320万円 × 8.40%)+ 均等割 160,000円
1年ぶんの市税(個人は市民税の所得割と均等割、法人は法人市民税の法人税割と均等割)です。県に入る分と国に入る分は含みません。法人の均等割は、従業者50人以下の区分で計算しています。
1億円に対して、市の税収になる割合で見ると、こうなります。
同じ1億円でも、個人のほうが約4.0倍(大企業とくらべても約2.8倍)市に残ります。
なぜ、
差がつくのか。
- かける相手が、違う個人市民税はもうけそのものに6%。法人市民税は国に納める法人税の額にかけます。所得1億円の中小企業の法人税は2,254万4,000円で、市に入るのはその6.00%です。
- 住む場所と、事務所の場所で決まる会社に残した利益は事務所のある市へ、役員報酬で受け取った分は1月1日に住んでいる市へ。1人で稼ぐ人が法人をつくっても、三郷に住んでいれば個人市民税は三郷に入ります。赤字でも均等割(年50,000円から)は事務所のある市に入ります。
この計算の前提と、企業誘致が効く場所
前提
- 課税所得での比較です「売上1億円」ではありません。個人は所得控除を引いたあとの課税所得、法人は所得の金額で比べています。
- 個人の中身によって変わります株式の譲渡益や配当を申告分離課税で申告した場合、市民税は3%です。ふるさと納税や住宅ローン控除でも、市に入る額は減ります。
- 法人は、赤字でも均等割を払います個人市民税には、この下支えがありません。会社が苦しい年でも、均等割は市に入ります。
- 会社から個人へ出せば、個人の税になります役員報酬や給与として出した分は、受け取った人が住んでいる市の個人市民税になります。全額を会社に残した場合の比較です。
- 事業所が複数の市にあると、分け合います法人税割は従業者数で市町村ごとに分けます。ここでは三郷市だけに事業所がある前提で計算しています。
企業誘致が効くのは、法人市民税ではありません
- 固定資産税市税のいちばん大きな柱です。令和6年度決算で105億5,003万円、市税の45.4%。工場や倉庫が建てば、土地・家屋に加えて機械などの償却資産にもかかります。
- そこで働く人の個人市民税市内に住む人が増えれば、所得割が増えます。令和6年度決算の個人市民税は88億5,167万円で、市税の38.1%です。
- 法人市民税令和6年度決算で12億8,572万円、市税の5.5%。企業誘致の効き目は、法人市民税よりも固定資産税と、そこで働く人の個人市民税で出ます。
令和6年度の市町村決算カード(総務省)によります。市税は232億4,736万円で、歳入の34.8%です。
1人で、
会社並みに稼ぐ時代。
これまでの地方の定石は、企業や工場を誘致して税収を増やすことでした。その考え方が効かなくなったわけではありません。変わったのは、稼ぎ方の幅です。
AIを道具にすれば、1人でも会社並みの売上をつくれる人が出てきました。その人たちは都心にいる必要がありません。住む場所を、仕事ではなく暮らしで選べる人たちです。
企業の誘致と、
人の誘致。
三郷は、外環道と常磐道と首都高が交わり、つくばエクスプレスと武蔵野線が通ります。都心に近くて、家賃が抑えられる。1人で働く人にとって、条件はそろっています。
要るのは、大きな用地でも補助金でもありません。
- つながる速さ仕事の道具がクラウドにある人にとって、通信は水道と同じです。
- 働ける場所と、預け先集中できる席、打ち合わせができる部屋、保育と学童。1人で働く人ほど、預け先が止まると仕事も止まります。
- 人と会えること孤立は、1人で働く人の最大の壁です。
- 手続きで止まらないこと窓口が平日の昼だけなら、1人で働く人は動けません。
企業を呼ぶ努力と、人を呼ぶ努力は、どちらかではありません。1億円を稼ぐ人が1人増えることの意味を数字で見たうえで、両方に力を入れる。