Population and tax

人口が減ると、
税収は減るのか。

令和7年度の市税は246億5,064万円。前の年より6.0%増えました。人口はほぼ横ばいで、国勢調査では減っているのに、です。

Last year

令和7年度は、
増えました。

三郷市の令和7年度の市税は246億5,064万円。前の年より14億328万円、6.0%増えました。歳入全体の伸びが0.7%ですから、市税だけが大きく伸びた年です。

令和7年度の市税24.7億円
前の年からの増減+6.0%
個人市民税の増減+12.3%

ただし、この増え方にはからくりがあります

個人市民税が10億8,763万円増えた、その中身

令和6年度の定額減税で減った分(国が補てんした額)が、令和7年度は無くなった約6.5億円
それを除いた、実際の伸び約4.3億円(+4.6%)

令和6年度は定額減税の年でした。減った分は国が「定額減税減収補てん特例交付金」で埋めており、その額が654,436千円です。この分解は鈴木優作の推計で、市の資料に同じ計算はありません。それでも、減税の影響を戻したうえで4.6%増えています

Why

人口は横ばい。
なぜ税収は増えるのか。

  • 税は、頭数ではなく所得と資産にかかる個人市民税は、住んでいる人のもうけに6%。固定資産税は土地・家屋・設備にかかります。人口が同じでも、働いて稼ぐ人が増えれば増え、建物が増えれば増えます。
  • 人口は横ばいでも、納める人は増えている税を納める人(納税義務者)は、平成28年度の68,560人から令和7年度の77,711人へ、13.3%増えました。共働き、高齢者の就労、世帯が小さく分かれたこと。人口の頭数とは別に動きます。
  • 1人あたりの市税も増えている市税を人口で割ると、平成27年度152,478円から令和7年度173,545円へ。13.8%増です。人が増えたから税収が増えた、という説明では足りません。
市税と人口の推移(平成27年度〜令和7年度)と、数字を読むときの注意
年度市税個人市民税固定資産税人口1人あたり
平成27年度20.97.79.5136,840152,478
平成30年度22.28.410.0140,702157,862
令和2年度23.29.010.1142,591162,788
令和4年度23.59.510.2142,758164,806
令和5年度23.69.310.5142,177166,047
令和6年度23.28.910.6141,935163,788
令和7年度24.79.910.7142,041173,545

市税・個人市民税・固定資産税は億円(小数第1位)、人口は各年4月1日の住民基本台帳、1人あたりは円です。固定資産税には国有資産等所在市町村交付金を含みます。

  • 人口の数字は、基準で変わります住民基本台帳(令和7年4月1日)は142,041人で横ばい。国勢調査(令和7年10月1日・速報)は140,579人で、5年前より1,566人(1.10%)少ない。どちらも正しく、基準が違います
  • 均等割の減りは、税率の変更です均等割の額が令和6年度に下がったのは、1人あたりが3,500円から3,000円になったためです(復興特別税の終了)。人が減ったからではありません。
  • 令和6年度の減も、制度の影響です令和6年度の市税は1.5%減りましたが、これは定額減税の年でした。国からの補てん(654,436千円)を戻して見ると、個人市民税は前の年より増えています。
From here

これから効いてくるのは、
頭数ではない。

  • 減るのは頭数より、働く世代市の推計では、生産年齢人口(15〜64歳)は令和7年の86,239人から、2050年に74,373人へ。高齢化率は27.2%から34.6%になります。個人市民税を納める層が薄くなるのはここからです。
  • 市自身も、そう書いている市の人口ビジョンの見直し資料は、生産年齢人口の減少が「個人住民税の減少につながる」とし、あわせて医療・介護などの社会保障費が増え続けると記しています。
  • 固定資産税は、人数と直結しない土地と建物と設備にかかるので、人口が減っても急には減りません。令和7年度も1.9%増えています。ただし、空き家が増えて建物が朽ちれば、この柱も痩せます。
総人口生産年齢人口高齢化率
令和7(実績)142,15286,23927.2%
令和22(2040)137,60681,72530.8%
令和32(2050)133,27474,37334.6%
令和47(2065)122,38967,11835.9%

三郷市の人口ビジョンの見直し資料(令和7年7月)による推計です。総人口と生産年齢人口は人。

Closing

減るのを止めるより、
中身を厚くする。

人口を増やすのは、市の努力だけでは動かしにくい話です。一方で、同じ人口でも税収は動きます。この10年が、そのことを示しています。

効くのは、働いて稼ぐ人がこのまちに住んでいるか、建物と設備が使われているか。「何人いるか」ではなく「どう暮らし、どう稼いでいるか」です。

だから、企業を呼ぶ努力と同じくらい、人を呼ぶ努力に意味があります。1人で稼ぐ人が住めば、その所得は市の税になります。高齢になっても働き続けられる場があれば、納める人は減りません。

そして、減っていく前提でも回る形を先に用意しておくこと。財政の余白と、固定費の重さを見ながら、いまのうちに考えられます。

Sources & Notes

作成:鈴木優作(三郷市議会議員/創政MISATO)
違っているところがあれば教えてください。直して、直した記録を残します。