すぐ直せるものは、
すぐ届けられます。
消えた白線、ずれたカーブミラー。こうした目の前の傷みは、 国土交通省のLINE通報から、写真と位置情報で送れます。 国道も、県道も、市道も、同じ入口です。24時間、匿名で構いません。
このページで考えたいのは、その先です。 「道路をもっとよくしてほしい」という声を、そのまま市の課題に置いたとき、何が起きるか。
送り方は 困りごとが、まっすぐ届くまちへ にまとめています。
道路は、
市だけでは決まらない。
同じ「道」でも、決める人が違います。
「道路をよくする」を課題に置くと、4つの壁に同時に当たります。
- 01決める人が、4つに分かれている同じ「道」でも、国道は国、県道は県、市道は市、信号や横断歩道は県の公安委員会。市が直接決めるのは、市道まで。国道の渋滞も、交差点の信号も、市の予算の外にあります。
- 02道は、直してもまた傷む舗装は年月で傷み、直した道も、いずれまた直す時が来ます。三郷市で施設の修繕に回っている毎年のお金(維持補修費)は10.9億円(令和6年度決算)。一度で終わらず、ずっと続く支出です。
- 03自由に使えるお金が、いまはない毎年きまって入るお金から、毎年きまって出ていくお金を引いた「余り」は、令和6年度に−2.1億円。経常収支比率は100.7%です。道を広げる、新しく通す、といった大きな話を上乗せする余白は、数字の上でマイナスです。
- 04地形が、ルートを決めている三郷市は東西5.6km・南北9.5kmの細長い形で、三方を川に囲まれています。東京・千葉・八潮へは橋を渡るので、道の引き方は、橋の位置で決まります。
管理者の分担は 市にできること、できないこと、お金の数字は 三郷市の財政を知る、地形は なぜバスは減るのか に出典つきで書いています。
移動がつらいのは、
行くまでもないとき。
移動が、いつもつらいわけではありません。ディズニーランドへ行く日、旅行に出る日。 目的がはっきりしていれば、遠くても、人は出かけます。
つらくなるのは、行くまでもない用事のために、行かなくてはいけないとき。 書類1枚を受け取るため、数分で済む相談のために、時間をつくって出かける。 そこで出会う渋滞や狭い道が、「道路がよくない」という声になります。
根っこにあるのは、「用があるなら、窓口まで来てもらう」という仕組みの前提です。
行かなくてはいけない
道路は、国・県・市・公安委員会に分かれていて、お金も時間もかかります。 「来てもらう」という前提のほうは、市が自分で動かせる部分がたくさんあります。 窓口のあり方も、手続きの方法も、医療や子育ての相談をどこに置くかも、市が決められることだからです。
行く回数を、
へらす。
行くまでもない移動を、4つの方向からへらします。
- 01行かなくても、用が足りる証明書や手続きのために市役所まで行く。その1回が、道の混雑と、移動の負担になっています。オンラインの申請、コンビニでの交付、近くの出張所。行く理由そのものを、へらします。
- 02来てもらえる通院のたびに移動するのではなく、医師や看護師が家に来る訪問診療・訪問看護とつなぐ。移動がいちばん大変な人ほど、移動しなくて済む形にします。
- 03駅に、集まる役所の窓口、医療、子育ての相談が駅の近くにそろえば、1回の移動で用が済みます。あちこちへ行く移動を、1か所への移動にまとめます。
- 04走るものを、賢くそれでも移動は残ります。バスがいつ来て、いまどこにいるかが分かれば、車ではなくバスが選べる。道を広げずに、道を走る車の数をへらす方向です。
どれも、道を1本広げるより小さなお金で動き、しかも市が自分で決められることです。 テクノロジーの役目は、ここにあります。人をへらすためではなく、行かなくて済む手間を、へらすためです。
歩く道は、
広げなくても守れる。
歩道の安全は、いちばん多く届く声のひとつです。こちらは「行くまでもない移動」ではありません。 子どもが学校へ行く、毎日の、目的のはっきりした移動です。だから、道路のお金と手間を先に集める場所です。
市内の交通死亡事故は、令和6年に6件(7名)。死亡事故は歩行者・高齢者・交差点に集中し、 高齢者は夜に道を渡っているときの事故が多い、と市は答えています。
道を広げる工事を待たずに、歩く人を守る方法は4つあります。
- 01車の速さを、落とす車が時速30kmを超えると、ぶつかったときに歩行者が亡くなる割合が急に上がります。区域の速度規制は公安委員会、路面の盛り上がり(ハンプ)や道幅を細く見せる工夫は道路管理者。このふたつを重ねるのが、警察庁と国土交通省が進める「ゾーン30プラス」です。決める人が分かれているからこそ、重ねた分だけ効きます。
- 02歩く場所を、色で分ける歩道のない道でも、路側帯を緑に塗る(グリーンベルト)と、歩く場所が運転席から見えるようになります。市道の区画線は市が決められ、市もすでに進めています。用地を買わずに、今ある道幅のまま守れる対策です。
- 03ひやっとした場所を、事故の前に集める事故の記録は、起きたあとの数字です。「ここで車が怖かった」を、保護者や子ども、歩く人が写真と場所で送れれば、事故が起きる前に、危ない場所の地図ができます。場所と数字がそろえば、警察や県にも届きやすくなります。
- 04通学路の声は、学校ごとに束ねる学校ごとに、児童の数も、通る道も違います。「ここが怖い」を家庭ごとにばらばらに出すより、PTAで束ねて学校から出すほうが、どこから直すかの順番がつけやすい。その点検と申し入れを、学校ごとに市が支えます。
車が速さを落として走る道では、登校する子どもも、夜に道を渡る高齢者も、同じように守られます。 歩く人の安全は、道幅ではなく、車の走り方で変えられます。
行く回数がへれば、
道も変わる。
市役所へ行く1回、病院へ行く1回がへれば、道を走る車がへります。 混雑も、傷み方も、ゆるやかになります。道を直さなくても、道にかかる負担はへらせます。
そして、限られた道路のお金は、それでも移動が避けられない場所に集中させます。 子どもが毎日歩く通学路。病院や駅へつながる道。広げる前に、いまある道を長く使える形で直す。
国道や県道、信号のように市だけでは決まらないものは、根拠をそろえて、国・県・警察へ届け続けます。 どこで、何が、どれくらい起きているか。数字と場所がそろった要望ほど、動きます。
道の声は、移動の声。
道路への声を、道路だけで受け止めない。 行くまでもない移動をへらして、行きたいところへ出かける時間をふやす。 それが、いまの三郷市で前に進める置き方だと考えます。