増やせた時代が、まもなく終わります
三郷市はずっと、人が増えてきたまちです。だから多くのことを「足す」ことで応えてこられました。その前提が、これから変わります。
現状に準拠する人口推移では、ピークは令和7(2025)年——すでに過ぎています。
対策がうまくいってもあと数年。何もしなければすでに折り返している。これは私の見立てではなく、市が自分で立てた推計です。
これまでのやり方が間違っていたという話ではありません。増えている時代には、それで足りていたのだと思います。ただ、減っていく時代に同じやり方を続けると、静かな人から順に消えていきます。
そこに誰がいるのかを、数えておく。
ペルソナを置くと、5つのことが見えます
2,360人にテーマを当てて「誰が関係するか」を数えると、議論の前提が変わります。
やってみた:路線バスをどうするか
令和8年度予算の路線バス運行委託は6,796万円。このテーマで2,360人を集計しました。
| 立場 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 今すぐ困っている(バス・送迎に頼っている) | 110名 | 4.7% |
| いずれ困る(車がないと不便な地域の50歳以上) | 110名 | 4.7% |
| 子どもの送迎で困っている | 110名 | 4.7% |
| 今は困っていない(駅徒歩圏) | 952名 | 40.3% |
| この議論の外にいる | 805名 | 34.1% |
まず「いま困っているのは4.7%」という事実が出ます。これは冷たい数字に見えますが、そうではありません。4.7%だと分かったうえで、それでもやるかどうかを議論する——それが政治の仕事だからです。分からないまま「多くの市民が困っています」と言うより、はるかに誠実だと思っています。
そして、3つの見落としが出ました
この3つは、従来のやり方では出てこなかったと思います。とくに「見落とし2」——困っている人に聞きに行く前に、その人たちが何を求めているかを取り違えていた可能性に気づけたことは大きい。
なお、この2,360人は統計から組み立てた想定であって、実在の市民が答えたものではありません。ここで出るのは答えではなく、問いです。「本当にそうなのか」は、実際に聞いて確かめます。
これから、どう使えるか
| 場面 | できること |
|---|---|
| 一般質問の設計 | 誰のために聞くのかを先に決められる。「〇〇が課題です」ではなく「この課題は〇〇名に関係し、そのうち〇%に情報が届いていません」と問える |
| 政策の影響評価 | ある施策で誰が得をし、誰が影響を受けるか。使用料の値上げなら、世帯年収300万円未満の23.6%にどう効くか |
| 合意形成の設計 | 対立軸を先に把握する。どこで割れるかが分かれば、割れない部分から合意を積める |
| 広報の設計 | 誰に届いていないかが分かる。紙の広報・回覧板・人づてでしか情報を得ていない層が31%いるなら、デジタル化だけでは足りない |
| 対話会の設計 | 誰に聞きに行くべきか。待っていても来ない層を先に特定して、こちらから出向く |
| 議会内の議論 | 意見ではなく集計なので、会派を超えて同じ土台に立てる |
どれも議論の入口を広げる使い方です。「何を確かめるべきか」「誰に聞くべきか」がはっきりすれば、そのあとの対話が濃くなります。決めるのは、実際の声を聞いたあと。その手前を厚くするための道具です。
聞きに行くための、準備です
この仕組みでできるのは、本物の声を、より正確に聞きに行くこと。聞く前に「誰に、何を聞くべきか」を絞り込むための準備です。
市長選のページで「私に届く声には偏りがあります」と書きました。私に声が届くのは、私に会える人・LINEを使う人・市政に関心がある人です。その外側に何人いるのかを知りたくて、この仕組みを作りました。