インターネットから、
切り離した道。
LGWAN(エルジーワン)は「総合行政ネットワーク」の略です。全国の都道府県と市区町村の庁内のネットワークをつなぎ、インターネットから切り離された、行政専用のネットワークとして作られています。
自治体どうしや国とのメール、マイナンバーを使った情報のやりとり、地方税の電子申告、コンビニでの証明書の交付などが、この道を通ります。運営しているのは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)です。
そもそも、
個人情報とは。
LGWANが守っているのは個人情報です。では、個人情報とは何を指すのか。法律の定め方を見ます。
- 個人情報生きている人に関する情報で、氏名や生年月日などによって、誰のことか分かるものです(個人情報保護法 第2条第1項)。ほかの情報と照らし合わせれば誰か分かる、というものも含まれます。
- 映像や音声は、条件しだい防犯カメラの映像のうち本人が判別できるもの、音声のうち氏名が含まれるなどして特定の個人が分かるものは、個人情報にあたります。国のガイドラインが例として挙げています。逆に、誰の声か分からない録音は、基本的にあたりません。犯罪とみられる行為が映っただけでは、要配慮個人情報にもなりません。
- 個人識別符号それだけで個人情報になる符号です(同 第2条第2項、施行令第1条)。顔の特徴を認証用のデータに変換したもの、声の特徴、指紋、旅券番号、基礎年金番号、運転免許証の番号、住民票コード、マイナンバーなどが並びます。
- 要配慮個人情報人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実など、取扱いに特に配慮がいるものです(同 第2条第3項)。障害があること、健康診断の結果、逮捕などの手続きが行われたことも、政令で加えられています。
- 保有個人情報市の職員が職務で作り、または受け取った個人情報で、組織として使うものとして市が持っているものです(同 第60条第1項)。市が守らなければならないのは、これにあたる情報です。
※ 顔や声そのものではなく、認証のために変換した特徴のデータが「個人識別符号」にあたります。
3つの仕事場は、
どう分けるのか。
「LGWANにつなぐ仕事」と「インターネットにつなぐ仕事」は、扱う情報で分かれます。国のガイドラインは、置く仕事を次のように示しています。
- マイナンバー利用事務系社会保障、地方税、防災に関する事務と、戸籍の事務などです。例として、住民記録、戸籍、税、後期高齢、介護、国保、国民年金、福祉があげられています。ほかの2つとは「分離」され、原則として通信できないようにします。
- LGWAN接続系LGWANにつながる仕事です。例として、人事給与、庶務事務、文書管理、財務会計、LGWANのメールや掲示板があげられています。LGWANを通じて使うサービス(LGWAN-ASP)も、ここに入ります。
- インターネット接続系インターネットにつながる仕事です。ホームページの管理、情報収集、インターネットのメールがあげられています。出入口は都道府県ごとにまとめられ、24時間365日の監視が行われます。
- あいだは「分割」し、無害化してから渡すLGWAN接続系とインターネット接続系は「分割」し、安全が確かめられた通信だけを通します。インターネット側からLGWAN側へ取り込むときは、メール本文だけを文字にして送る、画面だけを転送する、ファイルから危険な部分を取り除いて画像のPDFにするといった方法(無害化通信)を使います。
※ 業務用の端末をどちらの領域に置くかは、市が選びます。インターネット接続系に端末を置く形(ガイドラインがベータモデルと呼ぶ形)を選ぶ場合は、対策の実施について事前に外部の確認を受け、その後も定期的に外部監査を受けて、報告書をJ-LISに提出することとされています。
この仕事は、
どちらで行うのか。
では、目の前の仕事をどちらの領域で行うのか。ガイドラインは、職員が業務ごとに判断する手順そのものは示していません。代わりに、判断のもとになる決まりを市に求めています。
- 情報の分類を、作るときに決める情報を作った人が、機密性・完全性・可用性の分類と取扱いの制限を定め、ファイル名や属性、書類の隅などに表示します。分類が分からないときは、情報セキュリティ管理者に判断を仰ぎます。
- 分類と、置ける場所を対応させる重い情報ほど、置ける場所が限られます。インターネット接続系で扱えるようにするには、情報ごとのアクセス制御やログの管理など、追加の対策が求められます。
- 外部サービスは、申請して許可を得る市は、使ってよい業務の範囲、事業者の選び方、申請を許可する人と手続き、利用状況を管理する担当者を、あらかじめ定めることとされています。
※ この「手続きが現場から見て分かるか」を、令和8年9月の一般質問で企画政策部長に伺いました。
個人情報を守る、
仕組みの中で
- いつから平成13年度に全都道府県でつくる協議会が設け、平成15年度に全市区町村がつながって、本格的に動き始めました。平成26年度からは、J-LISが運営しています。
- 3つに分けて守る(三層の対策)平成27年の日本年金機構の個人情報流出を受けて、総務省は自治体に、仕事のネットワークを「マイナンバーを使う仕事」「LGWANにつなぐ仕事」「インターネットにつなぐ仕事」の3つに分けるよう求めました。全国の自治体の対応は、平成29年7月に完了しています。
- LGWANの上で使うサービス(LGWAN-ASP)事業者が審査を受けて、LGWANを通じて自治体にサービスを提供する仕組みです。文字起こし、AI-OCR(紙の文字を読み取る仕組み)、電子申請、Web会議などがあり、2026年9月16日時点で2,471件が登録されています。インターネットに出さずに使えるのが特長です。
- これから国は、三層の対策を見直し、将来は「ゼロトラスト」(ネットワークの内側か外側かで信用せず、つなぐたびに確かめる考え方)にもとづく形に対応するよう検討するとしています。デジタル庁の検証事業の報告では、令和12年度から将来の形への移行を始める段取りが示されています。
三郷市では
9月15日の一般質問で、企画政策部長は、個人情報を含む文書の文字起こしやAI-OCRについて、LGWAN環境の上のサービスを使うことで情報を守り、あわせて職員が使うときの手続きを簡素化していると答えました(本会議での答弁の要旨)。
守るべき情報は、インターネットに出さずに扱う。そのうえで、現場が使いやすい道具を選ぶ。守りと使いやすさを、サービスを使う場所の選び方で両立させる工夫です。
9月の一般質問では
テーマ2の答弁で、企画政策部長がLGWANに触れています。
個人情報を含む文書の文字起こしやAI-OCRは、LGWAN環境の上のサービスを使うことで情報を守り、あわせて職員が使うときの手続きを簡素化している。
答弁の要旨で読む →