いちばん大事な考え方は、なに?
議員は災害時においては、地域の一員として被災した市民の救援・救護等の初動対応等非常事態に即応した役割も求められていることも事実ではあるが、議員には代替者はなく、議員一人一人が議会機能を維持するという根幹的な役割を担っていることを十分に認識したうえで、地域活動等に従事するものとする。— 三郷市議会BCP(業務継続計画)2(2)
地域での救援活動は「求められていることも事実」という前置きです。この条文の主眼は、議員一人一人が議会の機能を守ることにあります。
計画の目的(1章)にも、議会は二元代表制のもとで市の重要な政策を決め、市役所を監視する役割を担い、非常時にも「この機能を維持しなければならない」と書かれています。復旧・復興の予算や条例を決めるのは議会だからです。
災害のとき、議員の動き方はどう変わる?
災害対応の主役は、市の災害対策本部です。議員が一人ひとり動くと、初動に追われる職員の手を止めてしまいます。そこで情報と要望の流れを「議会」として一本にまとめます。
市役所へ、個別に問い合わせない
議員個人が市役所へ直接連絡するのではなく、「議会災害対策会議」に集約し、急ぐものかを見極めてから伝えます(3章)。
提案や要望は、議長の名前で一本化
復旧・復興に向けた提案や要望は対策会議で調整し、議長名で市の災害対策本部に出します(7(1)③)。
SNSでの発信は、市のホームページに載ってから
市から受けた災害情報は、市ホームページへの掲載を確かめてから発信できます。市の情報と食い違って、市民を混乱させてはいけません(7(3)⑥)。
いつ動き出し、誰が決める?
| 災害の種類 | 計画を動かす目安(4(1)) |
|---|---|
| 地震 | 市内で震度5強以上を観測したとき |
| 風水害 | 外水氾濫の恐れ、避難勧告の発令、大規模な風水害が起きたとき |
| その他 | 自然災害・原子力災害・テロなどで市民に広い影響が見込まれるとき/新型インフルエンザ・新型コロナなどの感染が広がる恐れがあるとき |
市の災害対策本部は震度5弱や内水氾濫で先にできます。そのうえで議長が計画の発動を決め、議会災害対策会議を開きます。議長が決められないときは、副議長、議会運営委員長、議会運営副委員長の順に代わります(4(2))。
| 役 | 議会災害対策会議のメンバー(5章) |
|---|---|
| 会議長 | 議長 |
| 副会議長 | 副議長 |
| 委員 | 議会運営委員長・副委員長、交渉団体の会派代表者 |
| オブザーバー | 交渉団体以外の会派代表者 |
集まる場所は市役所本庁舎6階の第4委員会室です。話し合った内容は、各委員が自分の会派の議員に伝えます。集まれないときは、会議長の許可を得て通信機器で参加できます(6章)。
議員一人ひとりは、なにをする?
- 自分と家族の安否、居場所、連絡先を議会事務局に報告する(様式第1号)
- 対策会議からの連絡を受けられるようにしておく
- 地域活動をするときも、市議会議員としての役割を意識する
- 避難所では市職員の指示を仰ぎ、運営に協力する
- 対策会議ができたら、その運営に協力する
- 市の災害情報は、市ホームページへの掲載を確かめてから発信する
- 被災状況は対策会議に報告する(様式第2号)
- 対策会議がないときは、議会事務局に報告する(様式第2号)
- 登録したメールアドレスなどを変えたら、そのつど事務局に連絡する
7(3) 議員の行動基準①〜⑨
発災から、どう動きが変わっていく?
| 時期 | 議会・議員のおもな動き(9章) |
|---|---|
| 初動期 〜概ね3日 | 自分と家族の安全確保、事務局への安否連絡、地域の被災状況の把握と情報提供、対策会議の設置 |
| 応急期 概ね4〜7日 | 市の災害対策本部との連携、被災地の現地調査、市民への情報提供 |
| 復旧・復興期 概ね8日以降 | 議会運営委員会などの準備、要望活動の調整、復旧・復興への関与、議案の審議 |
議会の会期中に災害が起きたら?
条例や予算の審議が遅れて市政に支障が出ないよう、災害が起きたタイミング別に手順を決めています。分かれ目は「議会運営委員会を開けるか」と「会議を開くのに必要な12人がそろうか」です(11章)。
| ケース | 災害が起きたタイミング |
|---|---|
| 1 | 市長が議会を招集する告示の前(開会予定日の概ね2週間〜1週間前) |
| 2 | 招集の告示後、本会議の開会前 |
| 3 | 開会から、議案質疑・委員会への付託の前まで |
| 4 | 委員会への付託から、委員会の採決まで |
| 5 | 委員会の報告づくりから、本会議の討論・採決の前まで |
| 6 | 採決のあと、一般質問の途中まで |
| 7 | それ以外の閉会中 |
12人がそろわないと会議は開けず、議案が審議されないまま廃案になることもあります。その場合は、市長の専決処分(地方自治法179条1項)か、臨時会で議案を出し直して対応します(11章)。
感染症のときは?
感染が広がる段階ごとに対応を決めています。感染拡大期には、議場に入る市の幹部を議案に関係する部長に限る、急ぐ議案は委員会への付託を省いて本会議で審議する、会期を短くする、といった工夫を挙げています(10(1)(2))。
議員が感染したときは、家族のプライバシーを守るため氏名は公表せず、市ホームページで「市議会議員●名」と公表します(10(4))。