Generative AI for council members

生成AIを、議員の仕事でどう使っているか。

条例、議案、予算書。私のやり方を、図にしました。いちばん大事なのは、AIに聞く前に、資料を入れることです。

The rule

AIに聞く前に、
資料を入れる。

資料を入れずに、聞くだけ
質問だけ
AI
ネットのよくある答え三郷市の数字は出てこない
×
原本を入れてから、聞く
議案書・予算書・条文+ 質問
AI
原本にもとづく答えページに戻って照らせる
○

三郷市の議案や予算の中身は、ネットにはほとんど出ていません(研修の記録)。

順番は、いつも同じ

人入れる役所が出した原本
AI整える読み取る・並べる・要約する
人確かめる合計・件数・原本のページ
Primary sources

入れるのは、
役所が出した原本。

議案書三郷市議会
予算書
決算書
三郷市
例規集三郷市例規集
法令e-Gov 法令API
国・県の発表総務省・埼玉県
自分の記録研修の録音の文字起こし
入れないもの:誰かのまとめ記事丸めた数字言い換えた条文
01 Ordinances

条例は、
全文を入れて探す。

原本965件三郷市例規集の本文
AIで

分野・種別・制定年で探せる一覧にする

人が確かめる

全件、市の例規集の本文へリンク

原本21件議会に関する例規の全文
AIで

全文を検索する

人が確かめる

「オンライン」「デジタル」は0件。改正回数は附則を数えた

できたページ議会の例規を見直す
原本条文e-Gov 法令APIで条ごとに取得
AIで

リコール・除名の手続きを順に並べる

人が確かめる

取れた条文だけを引用。取れない条は言い換え

条例で気をつけていること

AIが要約した文を、条文として載せません。条文は原文のまま引き、要約は要約だとわかる書き方にします。例規集はいつ取得したものかをページに書き、各項目から市の例規集の本文へ戻れるようにしています。

02 Bills

議案は、
件数から確かめる。

原本43件9月定例会の提出議案一覧(PDF)
AIで

折り返した件名をつなぎ、議案・報告・諮問・請願に分ける

人が確かめる

件数が1件でも違えば止める

原本議案書+ 市の議決結果一覧表
AIで

議案ごとの解説の下書きを作る

人が確かめる

下書きで保存し、読んでから公開

できたページみさとの未来議会
原本議案書+ 予算書・委員会の資料
AIで

論点と、立場ごとの影響を洗い出す

人が確かめる

数字は原本で確認。何を聞くかは自分で決める

使うところ

委員会の質疑・一般質問の準備

なぜ件数から確かめるのか

PDFの議案一覧は、件名が2〜3行に折り返されています。読み取りで1件まるごと落ちたり、2件がつながったりすることがあるので、議案・報告・諮問・請願それぞれの番号が想定どおりそろうかを最初に確かめます。条例・補正予算・決算といった分類は原本にないため、私の整理だとページに書いています。

03 Budget

予算書は、
合計で検算する。

原本617.5億円令和8年度 当初予算書(PDF)
AIで

歳出の明細から、事業と節を取り出す

人が確かめる

事業の合計=目の予算額。合わない事業は空欄

原本100団体令和7年度 補助団体決算一覧表
AIで

団体ごとの表にする

人が確かめる

合計が決算書の合計行と一致

検算のしかた:読み取った数字を足して、合計の行と比べる

読み取った100団体の市補助金を足す1,306,666,211円
=一致
決算書の補助団体決算一覧表の合計行1,306,666,211円

1行でも読み違えれば、ここが合いません。合わなければ、そこで止めて原本に戻ります。

足し方を間違えると、市の数字と2倍ずれる

市の予算書(性質別)
市民の手に渡る給付のお金
32.2%
お金の性格で分けた、市の公表値
AIに「扶助費を集計して」と頼むと
節の「扶助費」だけを足す
16.4%
計算は正しくても、市の数字と合わない
なぜずれるのか

予算書の節は「どういう形で払うか」で分け、国の統計の性質別は「お金の性格」で分け直します。たとえば私立の保育所に払うお金は、節では委託料に入ります。だからAIに集計を頼むときは、何の物差しで分けるかまで指定し、最後に市の公表値と照らします。くわしくは 617.5億円は、どんな形で出ていくのか に書いています。

量が多い資料は、読み取りのプログラムをAIに書かせる

何百ページもの表は、AIに直接読ませるより、読み取るプログラムをAIに書かせます。同じ手順で何度でもやり直せ、合計との照合もプログラムの中に組み込めます。例規965件・議案43件・予算書・補助金100団体は、この形で作りました。

Six rules

私が守っている、
6つの決まり。

  1. 原本を先に入れるまとめ記事ではなく、役所が出したもの
  2. 合計と件数で検算する合わなければ、そこで止める
  3. 原本のページで確かめる資料名とページ番号を書いて出す
  4. 自分の整理は、そう書く市の分類ではないこと、数え方を書く
  5. 約束したものは出さないご意見の中身・個人の情報・会派内の説明
  6. 決めるのは、自分賛否と質問は議員が決め、責任を負う
What AI cannot do

資料を集めるのも、
決めるのも、議員の仕事。

AIにまかせる

  • 読み取る
  • 並べる
  • 分ける
  • 要約する
  • 論点を洗い出す

議員がやる

  • 原本を集める
  • 検算する
  • 現場に行く
  • 市民の声を聞く
  • 決める

AIの答えは、
入れた資料より正確にはならない。

Sources & Notes

作成:鈴木優作(三郷市議会議員/創政MISATO)