3回の定例会で、
10の問い。
一般質問は、議員が市の考えを本会議の場で問うものです。答弁は、市としての公式な考え方として会議録に残ります。 ここでは、問いと答弁の要旨を定例会ごとに並べました。
何を問い、
市はどう答えたか。
見出しの横の札は、問いの種類です。人は職員の研修や判断、仕組みはネットワークやシステム、ルールは法令や規程の扱いを指します。
令和8年3月定例会
答弁:企画政策部長-
職員の研修人問い
ICT教育・AI活用研修・情報セキュリティ研修を年間どの程度実施しているか。研修体制を拡充するべきではないか。
答弁人事担当部署と連携してDX研修を実施し、外部機関のeラーニングやオンライン研修も受講している。生成AIを使うときは専門講習の受講を義務付けている。
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三層分離とゼロトラスト仕組み問い
三層分離の環境でAI活用を進めるための取組と、ゼロトラストへの移行計画を策定するべきではないか。
答弁いまは三層分離の考えにのっとってネットワークを運用し、工夫によりインターネットサービスも利用している。国が三層分離の抜本的な見直しを進めており、国の動きに合わせて情報収集を含め、適切なネットワークシステムを計画的に構築していく。
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システムの共同調達仕組み問い
近隣5市1町や埼玉県との広域連携で、システムのコストを下げるべきではないか。
答弁システム導入では県内自治体との共同調達を行うなど、より良いシステムを安価に導入するよう努めている。
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AIへの入力と守秘義務ルール問い
セキュリティが担保されたAIシステムでデータを分析・加工することは、地方公務員法第34条の守秘義務違反に当たらないか。
答弁国の通知等では、一定の条件下では職務上知り得た秘密や個人情報の入力が直ちに個人情報保護法等に抵触することにはならないと考えられる。ただし、個人情報の入力には十分注意する必要がある。
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AIと個人情報保護ルール問い
AIによる解析は個人情報保護法・条例の範囲内か。個人情報保護審議会でAI活用を前提とした整理を進めるべきではないか。
答弁国が、AI開発を含む一定の条件下で本人同意を不要とする個人情報保護法の改正を進めている。法整備が追いついていない状況であり、国の動向を注視していく。
このとき要望したことDX研修の充実。個人情報保護審査会でAI活用を取り上げ、市独自の運用ガイドラインを検討すること。2029〜2030年を目標とするゼロトラスト移行に向けて、庁内の検討体制を今のうちから整えること。
令和8年3月定例会の一般質問をすべて読む →令和8年6月定例会
答弁:企画政策部長-
クラウドAIを、安全に使うルール問い
対話型AIを使うための責任の枠組みと、「できない理由」ではなく「いかに安全に実現するか」を起点にしたクラウドAIの評価のあり方について。
答弁市公式LINEで対話型AIが問い合わせに答えれば、24時間対応ができ、市民サービスの向上につながると認識している。一方、事実と異なる回答をするリスクがあり、情報の正確性の担保と責任の所在の整理が課題。導入済みの自治体の検証方法、API連携と安全性の確保、コストについて情報収集し、研究を進めている。
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AIの判断に、人が関与する人問い
AIが行政判断を支援する場面で、最終的に人が裁量をもって補う仕組みをどう確保するか。
答弁AIは有効な支援ツールだが、判断のすべてを委ねるものではない。判断の重要な部分に必ず人間が関与して安全性を担保するヒューマン・イン・ザ・ループの考え方を踏まえ、先進自治体の事例を参考にAI活用を広げる。
このとき要望したこと港区が公式LINEに生成AIチャットボットを導入した例など、先行事例を参考に検討すること。ヒューマン・イン・ザ・ループを明言したことを評価し、人とAIの役割分担の検討を進めること。
令和8年6月定例会の一般質問をすべて読む →令和8年9月定例会
答弁:企画政策部長-
外部サービスの活用仕組み問い
いま使っている外部クラウドサービスの範囲と効果。クラウド・バイ・デフォルト原則を踏まえた今後の方向性は。
答弁市民向けには、市ホームページ、LINE・X・FacebookなどのSNS、公開型GIS、電子申請、自動翻訳、遠隔相談などで利便性の向上を図っている。今後のクラウド化は、国の基本方針、先進自治体の事例、技術の動向を見ながら、適切に使う方法をさらに研究する。
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職員が使えるツール仕組み問い
オンライン会議の記録や資料の共同編集など、日々の業務で使えるツールの整備状況と、利用の手続きは現場が使いやすいものか。
答弁基幹業務システム、RPA、AI-OCR、Web会議、チャットツールなどを運用している。個人情報を含む文書の文字起こしやAI-OCRは、LGWAN環境の上のサービスを使うことで情報を守り、あわせて職員が使うときの手続きを簡素化している。
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情報セキュリティポリシールール問い
市の情報セキュリティポリシーの外部サービス利用に関する規定と、活用を広げるために整えるべきルール・体制・研修は。
答弁セキュリティ対策は基本的に総務省のガイドラインに準拠して運用し、三郷市情報セキュリティポリシーにもとづく対策基準に定めている。安全性を確保しながら、利用手続きの簡略化など、現場の職員が迷わず使える仕組みを検討する。
このとき要望したこと外部サービスを使うための運用方針とガイドラインを整えること。職員の手元にそろえたいのは、使えるサービス・入力してよい情報の範囲・申請と承認の手順・相談先の4つ。「危ないから入れない」は、市の情報が市のセキュリティの及ばない場所を通る可能性を高め、かえって安全を弱くする。
令和8年9月定例会の一般質問をすべて読む →答弁から見える、
いまの市の体制。
3回の答弁をつなぐと、市がいまどういう形で情報を守っているかが見えてきます。
- ルールの土台
- 総務省のガイドラインに準拠。三郷市情報セキュリティポリシーにもとづく対策基準に定めている 9月の答弁
- ネットワーク
- 三層分離で運用。国の見直しの動きに合わせて、計画的に構築していく 3月の答弁
- 個人情報を扱う処理
- 文字起こしやAI-OCRは、LGWAN環境の上のサービスを使う 9月の答弁
- 職員
- DX研修を実施。生成AIを使うときは専門講習の受講が義務 3月の答弁
- AIの判断
- 判断のすべてをAIに委ねない。重要な部分には必ず人が関与する 6月の答弁
- これからの進め方
- 国の方針・先進自治体の事例・技術の動向を見ながら研究する 3・6・9月の答弁
平時の備えとしては、国のガイドラインに沿ったルールがあり、個人情報はLGWANの内側で扱い、AIには人が関与するという形が整っています。 一方で、進め方の答弁は3回とも「国の動向を見ながら」「研究する」でした。
脆弱性は、
国の方針を待ってくれない。
この1年に問うてきたのは、DXを安全に進めるためのルールと体制、つまり平時の備えです。 ところがサイバーのリスクは、ある日突然、外からやってきます。昨日まで使えていたソフトウェアが、今日は危険になる。
そのとき問われるのは、次のようなことです。これらは、この1年の一般質問ではまだ直接問うていません。
- 脆弱性が公表されたその日に、市のどのシステムが影響を受けるかを、誰が確かめるのか
- 止める・止めないを、誰が、どれだけの時間で判断するのか
- 委託先の事業者が運用するサービスについて、市はどこまで状況をつかめるのか
- 市民への知らせを、どの手段で、どの段階で出すのか
守るべきは、
置き場所ではなく中身。
9月定例会で申し上げたとおり、「危ないから入れない」という判断は、一見安全に見えて、実際にはセキュリティを弱くします。 使える道具と使いたい道具の差が開くほど、市の情報は市のセキュリティの及ばない場所を通るからです。
禁止するためのルールではなく、使うためのルール。 そして、危険に変わった日に迷わず止められる判断の仕組み。 この二つがそろってはじめて、市民の情報は守られます。